界面活性剤

界面活性剤は、水分と油分などのように、表面張力が違い、互いに混じり合わない物質の仲立ちをし、溶け込んだ状態にする物質である。界面活性剤の構造は、その分子内に油分となじむ親油性部分と水分となじむ親水性部分の両方をもち、水に溶けるとその溶液の表面張力を著しく滅少させ、水と油をなじみやすくする性質がある。相互に混じり合わない水と油とを乳化させ、油の中に細かい水滴が分散している油中水型(W/O型)、水中に細かい油滴が分散している水中油型(O/W型)のエマルションをつくる。さらには、水に溶けない香科を透明に混和させる可溶化作用、おしろいなど粉末原科の水中分散性を高める作用などの働きをする。界面活性剤を水に溶解させたとき、イオンに解離するイオン性界面活性剤と、イオン化しない非イオン性界面活性剤とに大別される。イオン性界面活性剤は、さらに陰イオン性(アニオン性)界面活性剤、陽イオン牲(カチオン性)界面活性剤、両性界面活性剤とに分けられる。化粧品の製造には、乳化剤、可溶化剤、分散剤などとして、なくてはならない原料である。
▼ア行
アルキル硫酸ナトリウム
陰イオン性界面滑性剤で、アルキル基をもつアルキル硫酸エステルのナトリウム塩である。油汚れに対して非常にすぐれた洗浄力を示し、クリーミィな泡を与える。すぐれた洗浄力、起泡力を利用し、石けん、シャンプー、リンスなどに使用される。
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(クオータニウム−33、カチオンLQ)
陽イオン性界面活性剤で、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムと1、3−ブチレングリコールの混合物である。髪にしなやかさを与え、髪の静電気を防ぐ働きがある。
N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン
グルタミン酸と脂肪酸から構成されたN−アシルアミノ酸塩の界面活性剤で、L−グルタミン酸をアシル化したもののモノトリエタノールアミン塩である。適度な起泡力、洗浄力をもち、皮膚と同じ弱酸性を示し、心地よい肌触りを与え、毛髪への吸着性にすぐれている。シャンプー、リンス、石けん、洗顔料などに安全性の高い洗剤として使用される。
N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム
グルタミン酸と脂肪酸から構成されたN−アシルアミノ酸塩の界面活性剤で、L−グルタミン酸をアシル化したもののモノナトリウム塩である。N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンと同様の性質をもつ。道度な起泡力、洗浄力をもち、皮膚と同じ弱酸性を示し、皮膚に対して非常に温和である。シャンプー、洗顔クリーム、歯みがきなどに使用される
エマルション(乳化物)
水と油のように相互に混じり合わない2種以上の物質の、どちらか一方が細粒となり、他方の中に均一に分散しているものをエマルションという。一般に乳濁しているので乳化物ともいわれる。エマルションのタイプには、親水型エマルション(O/W型エマルション)と親油型エマルション(W/O型エマルション)がある。前者の場合は水中油型ともいわれ、水相系の中に油系が細粒となって均一分散しているものをいう。後者の場合は油中水型ともいわれ、油相系の中に水系が細粒となり均一に分散しているものをいう。O/W型エマルションにはクリーム、乳液などがあり、水となじみがよく、親水型エマルションともよばれる。W/O型エマルションはクレンジングクリーム、コールドクリームなどに多く、水となじみが悪く、油にはなじみがよいので親油型エマルションともよばれる。近年、クレンジングクリーム、コールドクリームでもO/W型エマルションのものも多くなってきている。
塩化アルキルトリメチルアンモニウム
陽イオン性界面活性剤で、通常、イソプロパノール、エタノール、水またはこれらの混液を含む物質である。毛髪に柔軟性を与え、帯電を防止する。毒性、皮膚刺激が抵い。成分表示が必要である。頭髪用製品、リンスなどに用いられる。
塩化ジアルキルジメチルアンモニウム
陽イオン性界面活性剤で、繊維に対する柔軟効果、帯電防止効果があり、主としてへアリンスに使用されている。殺菌力は弱く、毒性、皮膚刺激性も弱い。
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム
陽イオン性界面活性剤で、毛髪に対し、柔軟効果、帯電防止効果などを与え、皮膚に対しての刺傲も比較的弱い。毛髪に吸着されてくし通りをよくし、毛髪に柔軟性、平滑性を与え触感をよくし、帯電を防止する。シャンプー、リンスをはじめ各種頭髪用化粧品、基礎化粧品、メイクアッフ。化粧品に使用される。基礎化粧品、メイクアップ化粧品には配合上限1.0%であり、成分表示が必要である。
塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
陽イオン性界面活性剤で、殺菌剤として使用される塩化ベンザルコニウムと同族系列の化合物である。殺菌力は塩化ベンザルコニウムより弱く、毒性、皮膚刺激性も低い。毛髪への吸着がよく、静電気の帯電を防止 する性質があるためにへアリンスなどに用いられている。成分表示が必要で配合規制がある。ファンデーション、洗顔料が1.0%、アイライナー、眉墨、クリーム、乳液、化粧水、ひげそり用ローションが0.1%である。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
陽イオン性界面活性剤で、毛髪に吸着されて帯電防止作用、毛髪をしなやかにする柔軟作用を有するために、ヘアリンスなどに用いられる。クリーム、乳液、ひげそり用クリーム、化粧水、ひげそり用ローション、パックには1.0%の配合上限がある。
塩化ベンザルコニウム
陽イオン性界面活性剤で強い殺菌力を有する。
塩化ベンゼトニウム
陽イオン性界面活性剤で、強い殺菌力、防臭力を有している。
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液
両性界面活性剤の水溶液である。強力な殺菌、消毒、洗浄効果を有する。両性石けんともよばれている。化粧品では、殺菌、脱臭作用を利用して、ヘアトニック、化粧水、ボディパウダー、脱臭剤に、さらに洗浄作用を利用して、歯みがき類、洗顔化粧料、シャンプー剤、浴用剤に、また静電防止作用があるためにリンス剤にも配合される。逆性石けんにくらべて、毒性、刺散作用ともきわめて弱いため外用剤への用途は広い。
▼カ行
可溶化剤
本来溶媒に不溶または難溶性の物質が、溶媒中に透明に溶解する現象、つまり可溶化を助ける目的で使用される界面活性剤をいう。油相を水相に透明に可溶化する場合と、水相を油相に透明に可溶化する場合がある。前者に使用される界面活性剤は親水性の高いものが用いられ、後者の場合には親油性の強い界面活性剤が用いられる。
逆性石けん
善通の石けんの主成分が陰イオン性界面活性剤であるのに対して、逆性石けんの場合には主成分として陽イオン性界面活性剤が用いられている。塩化ベンザルコニウム液が代表的なものである。強力な殺菌作用があり、手指、皮膚、医療器具などの消毒に用いられる。
金属石けん
アルカリ金属塩以外の金属塩からなる石けんをいう。広義には高級脂肪酸の金属塩を総称して石けんとよんでいるが、ナトリウム、カリウムなどアルカリ金属の高級脂肪酸塩は一般に石けんといい、それ以外のカルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどの非アルカリ金属の高級脂肪酸のアルカリ塩を金属石けんという。皮膚に対する潤滑性、柔軟性、付着性をよくする目的で使用され、また顔料、タルクなどの粉未に混合して、それらの分散性をよくする。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられ、パウダー類の製品やメイクアップ製品に使用されている。
石けん(高級脂肪酸石けん)
陰イオン性界面活性剤の一種で、化学的には高級脂肪酸のアルカリ塩である。石けんの製造法にはけん化法と中和法がある。通常多く用いられているものはけん化法で、ナトリウム塩は、ヤシ油、パーム油、牛脂、硬化油などの動植物性油脂を水酸化ナトリウムで加水分解し、副成するグリセリンを除去した後、枠に入れて固めたり(枠練り)、フレーク状にしたものを型打ちしたり(機械練り)してつくる固形石けんである。カリウム塩はカリ石けんまたは軟質石けんとよばれ、ぺースト状で軟らかい。水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを併用したり、水酸化カリウム単独でも用いられる。一方、脂肪酸とアルカリを直接反応させて石けんをつくるのが中和法である。透明石けんやクリーム状のものにトリエタノールアミン塩なども用いられる。
▼サ行
石けん用素地
脂肪酸のナトリウム塩である。白色〜淡黄色の半固体または固体で、わずかに特異臭がある。浴用、洗顔 石けんの場合の構成比率は、ラウリン酸9〜12%、リスチン酸5〜8%、パルミチン酸20〜25%、ステアリン酸15〜25%、オレイン酸30〜35%程度である。起泡、洗浄、湿潤、乳化などの作用がある。脂肪酸ナトリウム塩は主として固形石けんに用いられ、液体石けんやシャンプーにはカリウム塩が用いられる。石けん素地に色素、香科などの添加物を配合し、種々の工程を経て化粧石けんとする。グリセリン、ショ糖、エタノールなどを加えて透明石けんにも用いられる。石けん、洗顔科、クリーム、乳液、パック、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品、ファンデーション、パウダー類などに使用される。
ジメチコンコポリオール
シリコーン系非イオン性界面活性剤で曇点、表面張力低下能も有している。シリコーンの乳化剤、シャンプ一のコンデイショニング、各種頭髪用油剤、W/O乳化剤として使用されている。
ショ糖脂肪酸エステル
ショ糖の脂肪酸エステルからなる非イオン性界面活性剤である。ショ糖ステアリン酸エステルなどがある。化粧品用の乳化済として皮膚をなめらかでしなやかにし、皮膚や粘膜に対しての刺激性が少ない。アレルギ一を起こすことなく、高濃度でも目を刺激しない。柔軟剤や保湿剤としても効力を有し、キメが細かく、感触が柔らかで光沢のある製品をつくることができる。各種クリーム、シャンプー、石けん、歯みがき、へアローション、整髪料などに使用される。また無刺激、無毒、無臭の洗浄剤にも用いられる。
ショ糖ステアリン酸エステル
食品用の乳化剤として利用されており、安全性の高い低刺激性の乳化剤である。皮膚への親和性が高く、エモリエント効果もある。低刺激性の乳化剤としてクリーム、乳液などの基礎化粧品に、ファンデーションやメイクアップベースにも使用される。
▼タ行
多重エマルション
多相エマルションともいう。内部に水の微小球が存在する油滴が分散したW/O/W型と、内部に油の微小球が存在する水滴が分散したO/W/O型とがある。たとえば採掘したばかりの原油は、O/W/O型の多重エマルションになっている。また、ソフトタイプのマーガリンにも多重エマルションの技術が使われている。
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)
ポリオキシエチレンソルビトールのオレイン酸テトラエステルである。各種の油に対しすぐれた乳化力をもつ非イオン性界面活性剤である。石けん、シャンプー、リンス、クリーム、乳液、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品などに使用される。
▼ナ行
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
両性界面活性剤である。油脂を乳化させる作用があり、洗浄性が良好で、起泡力もあり、皮膚、眼に対する刺激が弱い。シャンプーの原科として広く使用されているほか、乳化剤として、クリーム、乳液、仕粧水などにも用いられる。繊維では、帯電防止剤、柔軟仕上剤として使用される。
ニコムルス41(親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル系混合乳化剤)
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル配存物を、高温で強制的に水中に分散させると液晶が形成される。これを攪拌しながら冷却すると安定なゲルネットワークが形成される。このゲルネットワーク中に各種油が徴細分散して、安定なエマルションが得られる。低刺激性で、抱水性にすぐれ、耐水性のある塗布膜を形成する。耐水性の日焼け止め化粧品などに応用される。
乳化
水と油など互いに混じり合わない2成分を、微細に分散して均等な一つのものとすることをいう。乳化してできたものをエマルション(乳化物)、乳化を助け安定させるために加える物質を乳化剤という。
乳化剤
界面活性剤の一種で、水と油のように互いに混じり合わない2成分を混合して安定なエマルションをつくるために加えられる成分をいう。その性質によって親水性と親油牲に分けられる。
分散剤
メイクアッフ。化粧品などのように顔科を配合する場合、油脂類やクリーム基剤中に顔科を均一で、微細に分散させる目的で用いられる界面活性剤を特に分散剤とよんでいる。
▼ハ行
ベミュレン
アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体で、水溶性高分子鎖に親油基を有した構造をもつ非イオン性界面活性剤である。この構造のだめ親油基にて油をつかみ、高分子鎖で水中にて構造をつくり、油を安定に分散させる。あらゆる油を少量の乳化剤で安定な乳化ができるという特徴を有している。従来にない高分子乳化剤である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム
陰イオン性界面活性剤で、合成アルコールに酸化エチレンを付加重合し、その後アルカリで中和することによって得られる。溶解性がよく、すぐれた起泡力および洗浄力があるので、シャンプー、リンス、石けん、洗顔科などに使用される。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
混合アルキル基をもつアルコールに、酸化エチレンを付加重合して得られるもののリン酸エステルである陰イオン性界面活性剤である。リン酸エステル型界面活性剤は、天然に存在するレシチンやケファリンに近い構造や性質をもっている。一般に単独で使用されるよりもほかの界面活性剤と併用される。石けんに配合してカルシウム石けんの分散性を改良したり、低気泡性を利用しシャンプーなどの洗浄剤やリンスに用いられている。また、ゲル化能を利用して頭髪用化粧品へも応用されている。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸
アルキル基をもつフェノールに、酸化エチレンを付加重合して得られるもののリン酸エステルである陰イオン性界面活性剤である。洗浄力、可溶化力、分散力にすぐれ、化粧水、頭髪用化粧品、メイクアップ製品などに用いられる。
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体
主として直鎖状のメチルポリシロキサンのメチル基の一部をポリオキシエチレン・オキシプロピレン基で置換した型の非イオン性界面活性剤である。耐水性のサンケア製品やメイクアップ製品の油分にシリコーン、特に揮発性環状シリコーンなどの使用が増えた。それらの製品の乳化に用いられる。シリコーン系基材のすぐれた乳化剤として使われている。
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
オクチルフェノールに酸化エチレンを付加重合して得られる。乳化力、可溶化力、洗浄力にすぐれた非イオン性界面活性剤である。湿潤剤、乳化剤、洗浄剤、起泡剤、可溶化剤などとして巾高広く使用される。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
ヒマシ油の二重結合に水素を添加した硬化ヒマシ油に、酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。毒性が少なく、安全牲の高い界面活性剤の一つである。
ポリオキシエチレンステアリルエーテル
ステアリルアルコールに酸化エチレンを付加して得られる。乳化力にすぐれており、安定な非イオン性界面活性剤である。乳化剤としてクリーム、乳液をはじめ各種化粧品に使われる。
ポリオキシエチレンステアリン酸アミド
ステアリン酸を主成分とする脂肪酸をアミド化して得られる脂肪酸アミドに、酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。親水基のポリオキシエチレン8〜10モル位のものは湿潤性と石灰石けん分散性をいかしシャンプー、石けんの成分として使用され、16〜20モル位のものは顔科分散性がすぐれているのでメイクアップ製品の顔料分散剤として使用される。ワックス類、溶剤、シリコーン油の乳化剤としてもすぐれており、クリームなどにも用いられる。
ポリオキシエチレンセチルエーテル
セタノールに酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤の中でもっとも安定な型で、乳化剤として、クリーム、ローションをはじめ各種化粧品に用いられている。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
酸化プロピレンを重合して得られるポリプロピレングリコールに、酸化エチレンを付加重合した形の高分子非イ才ン性界面活性剤である。湿潤剤として化粧水、パック、頭髪用化粧品などに、洗浄剤としてクレンジングクリーム、シャンプーなどに、乳化剤として各種クリームに、分散剤としてメイクアップ化粧品に、可溶化剤としてネイルエナメル、アストリンゼントローションなどに使用される。
ポリグリセリン脂肪酸エステル
ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化またはポリグリセリンと油脂とのエステル交換反応により得られる非イオン性界面活性剤である。ポリグリセリンはグリセリンの重合度、脂肪酸の種類、エステル化度を変えることにより、水溶陸から油溶陸の界面活性剤、油状からワックス状の油性原科が得られる。乳化剤、顔科の分散剤、エモリエント剤、毛髪のコンデショニング済などに使われる。
▼マ行
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレイン酸ソルビタンに酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。皮膚に対する刺激性はなく乳化剤として使用される。親水性が大きく、液状であるために、水に溶けない香科、色素、薬品類の可溶化剤として用いられる。
モノステアリン酸エチレングリコール
主としてエチレングリコールのモノステアリン酸エステルからなる非イオン性界面活性剤である。界面活性剤としては、乳化力、分散力が小さいが、ほかの油性原科に配合することによって油相全体の親水性を増すことができる。また得られるエマルションは油水界面に集まるので、エマルションの性状や安定性を調整することができる。このような性質を利用して、油性のクレンジングクリーム、乳液などの成分として配合される。
モノステアリン酸グリセリン
ステアリン酸のグリセリンモノユステルである。W/O型乳化剤としては界面活性剤中もっとも古くから用いられた。そのほか歯みがきの柔軟剤、石けん、シャンプーの過脂肪剤としても用いられる。モノステアリン酸グリセリンに石けん、あるいは非イオン性界面活陸剤を加えて親水性を増強したものがあり、これを自己乳化型モノステアリン酸グリセリンとよび、広く乳化剤として用いられている。
モノステアリン酸ソルビタン
ソノレビトールまたはソルビタンとステアリン酸を反応させることによって得られるソルビタン脂肪酸エステルである。親水性乳化剤との組み合わせでO/Wエマルションをつくり、非流動性エマルションに適し、広く化粧品に使用される。
モノステアリン酸プロビレングリコール
古くから化粧品乳化済として用いられる非イオン性界面活性剤である。乳化力は小さいが、油脂、ロウなどの油性原料に配合することにより、油相全体の親水性を増したり、界面膜の状態を変えエマルションの性状や安定性を調整するために用いられる。グレンジングクリーム、乳液などに広く用いられる。
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン
親油性活性剤であるモノステアリン酸グリセリンに酸化エチレンを付加重合させて、親水性が高められている。非イオン性界面活性剤で、水に対する分散陸、界面張力、乳化力、起泡力、浸透力などにすぐれているので単独、またはほかの界面活性剤との組合せで、化粧品の乳化剤として広く多目的に使用されている。親水陸であるため油性香料、色素、薬品などの可溶化剤として用いられる。
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
モノステアリン酸ソルビタンに酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。すぐれた乳化、可溶化、分散作用があり、クリーム、乳液、石けん、シャンプー、リンス、メイクアップ化粧品など幅広く使用される。
モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン
モノパルミチン酸ソルピタンに酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。すぐれた乳化、可溶化、分散作用をもつ安定性の高い界面活性剤で、クリーム、ファンデーション、パック、頭髪用製品などの化粧品に広く用いられる。
モノラウリン酸ポリエチレングリコール
主としてポリエチレングリコールのモノラウリン酸エステルからなる非イオン性界面活性剤である。化粧品の乳化剤として、クリーム、ローションをはじめ各種化粧品に幅広く用いられる。
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウリン酸ソルビタンに酸化エチレンを付加重合して得られる安全陸の高い非イオン性界面活性剤である。乳化剤として、単独または親油性乳化剤と配合して用いられ、特にO/Wエマルションをつくるのに適しており、クリーム、乳液、化粧水などに広く使用される。常温で液状であり、親水性の大きい非イオン性界面活性剤であるため、香料や水に溶けない物質の可溶化剤として広く用いられる。
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット
ポリオキシエチレンソルビットのラウリン酸モノエステルからなる非イオン性界面活性剤である。各種の油に対し非常にすぐれた乳化力を示す。エチレン付加モル数が20モル、または20モル以上のものは化粧水などの可溶化剤や可溶化助剤として用いられる。
▼ヤ行
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(N−ココイル−N−メチルタウリンナトリウム)
ヤシ油とタウリン誘導体で構成される陰イオン性界面活性剤である。低刺激性洗浄剤として洗浄剤、石けん基剤に使用される。泡立ちがよく、おだやかに手肌の汚れをとるのにすぐれている。
▼ラ行
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
両性界面清性剤で、通常イソプロパノール、エタノール、水またはこれらの混液を含有する。起泡力にすぐれ、刺激が少なく、またほかの陰イオン界面活性剤との相溶性がよく、さらに低温でも安定なことから、シャンプー基剤をはじめ、化粧品用の起泡剤として用いられる。
ラウリル硫酸トリエタノールアミン
陰イオン性界面活性剤で、シャンプー、洗浄基剤として使用される。ラウリル硫酸エステルのトリエタノールアミン塩である。油汚れに対して非常にすぐれた洗浄力を示し、クリーミィな泡を与える。皮膚や毛髪に対する作用が温和である。
ラウリル硫酸ナトリウム
陰イオン性界面活性剤で、シャンプー、洗浄基剤として使用される。ラウリル硫酸エステルのナトリウム塩である。洗浄力、起泡力、殺菌力が強いので、脱脂力を必要とする製品に適している。洗浄、起泡、乳化どの目的でクレンジングクリーム、石けん、シャンプ一、リンス、浴用製品などに使用される。
ラウリン酸ジエタノールアミド
ラウリン酸とジエタノールアミンとを縮合して得られる含チッ素系の非イオン性界面活性剤である。洗浄剤に添加した場合、起泡、増粘、洗浄、分散、耐硬水性などを高めるなどの相乗効果があり、その効果はヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドよりすぐれている。皮膚に対する刺激を抑制する作用を有するので、高級液体シャンプー洗顔科などに使用される。
ラウロイルサルコシンナトリウム
アミノ酸の一種であるサルコシンとラウリン酸との縮合物で、湿潤性のすぐれた陰イオン性界面活性剤である。緩和な脱脂性と殺菌性をもつ洗浄剤で、洗浄力は石けんに劣らない。化粧品には、起泡、洗浄、殺菌、乳化剤として、シャンプー、洗顔クリーム、ひげそり用クリーム、歯みがきなどに用いられる。洗剤では、帯電防止剤、柔軟剤として用いられる。
ラウロイルメチルβ−アラニンナトリウム液
皮膚、毛髪に対する感触の非常によい安全性の高い陰イオン性界面活性剤である。ラウリン酸とN−メチルアラニンとの縮合物のナトリウム塩である。滴度な洗浄力と脱脂力をもっている。弱酸性で起泡力、透明性ともよいので、酸性シャンプーに適している。また、洗顔クリーム基剤への溶解性がよいので、洗顔クリーム用の起泡洗浄剤として、石けんのようなさっぱりした洗い上がりなので、ボディシャンプーにもそれぞれ適している。
ラウロイルメチルタウリンナトリウム
ラウリン酸とN−メチルタウリンとの縮合物のナトリウム塩である。人や動物の胆汁中に存在する生体内界面活性剤であるタウロコール酸と非常に類似した構造をもっており、安全注の高い陰イオン性界面活性剤である。起泡洗浄剤としてシャンプー、洗顔クリーム、石けん、バブルバスなどに使用される。特に耐酸性にすぐれており、皮膚に温和な弱酸性製品の原料に適している。
ラメラ構造エマルション
エマルション製造技術の進歩は、単に油と水の分散体でなく、皮膚の保護・エモリエント機能を高めるものが求められる。皮膚は角質層中で細胞間脂質がラメラ構造(層状構造の膜)を形成し、水をつかまえ保持して、うるおいを保っている。そこで、皮膚上にこのような分子構造体を形成して角質層の機能を補うという考えに基づいたエマルションが開発されるようになった。例えぱ、細胞間脂質である合成セラミドを使い、脂質二分膜の層間に水を保持してラメラ構造のエマルションとして、未細胞間脂質の皮膚生埋機能を回復させるマルチラメラエマルションとか、水素添加大豆レシチンとアミノ酸を使い、水をつかまえたアクアラメラのような脂質二分膜による、とばない水を考えたエマルションが、保湿化粧品や美容液に応用されるようになった