保湿剤

保湿剤は製品の水分蒸発を防ぐと共に、皮膚表面の水分の調整をして、皮膚、毛髪にうるおいのあるしっとり感を与える目的で配合される。皮膚角質層の水分量が、皮膚の健康維持や外界がらの様々な刺激からの防御機能に密接に関係し、皮膚の老化防止、うるおい、なめらかさなどの感触に大きな役割を果たしている。この角質層の水分保持は通常NMF(天然保湿因子)と皮脂膜によってコントロールされているが、老化もしくは外界からの刺激などで容易にその機能が低下することから、化粧品でその保温成分を補うことは、基礎化粧品の大切な効能の一つである。肌の水分を補う保湿成分としては、生体成分と同じか、類似の成分が注目され、応用されるようになっている。したがって、NMFの構成要素であるアミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸などが用いられる。また、真皮層の保湿にかかわりの深いヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖葵質は、肌になじみがよく、水分保持効果が高い原料として配合されている。バイオテクノロジ一の進歩により、ヒアルロン酸など、天然界からは入手しづらかったものも、生産できるようになった。さらに、表皮細胞の水分保持に大いにかかわっているのが細胞間脂質であり、この脂質の類似物質も開発されている。そのほか、保湿剤としては、昔からグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビットなどの多価アルコール類が多く用いられている。これらは水分を保つ働きぱかりでなく、使用感にも大きく影響する。植物からの抽出成分も、角質層の保湿機能を補い、うるおいのある肌づくりをし、肌の恒常性維持に有効なことから広く配合されている。さらには、可溶性コラーゲン、ユラスチン、ケラチンなどのたんぱく質加水分解物、牛胎盤エキスより抽出するプラセンターエキスや哺乳動物の胃粘膜、唾液腺で生産、分泌される糖たんぱく質のムチン、カニやエビの殻を主原科とするキチン・キトサン、ビフィズス菌代謝物、酵母発酵代謝産物、酵母抽出物など多くの物質が保湿剤として使用されている。


▼ア行
アクアライザーEJ【生体系保湿成分】
NMF成分に最も近い機能を備えた合成の保湿成分である。アミノ酸(グリシン、DL−アラニン、L−アルギニン、L−グルタミン酸ナトリウム、L−ビスチジン塩酸塩、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−バリン、L−ロイシン)と還元糖(ブドウ糖、果糖)をアルコール溶液中で縮合させ、その生成物に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムおよぴ尿素を添加したものである。皮膚のpHや水分の変動を調節する作用があり、化粧品に配合すると、肌にうるおいを与え、肌荒れを防止する。
ATP(アデノシン三リン酸、トリリン酸アデノシン)【生体系保湿成分】
生物のエネルギー源となるきわめて重要な物質で、生体のエネルギー通貨といわれる。アデノシンにリン酸が結合したもので、細菌類、アメーバから人間に至るまで各種動植物の細胞に広く存在する。皮膚細胞を生き生きさせる細胞賦活剤としてクリーム、乳液などに用いられる。
アテロコラーゲン【生体系保湿成分】
不溶性コラーゲンをプロテアーゼ(たんぱく分解酵素)処理して、コラーゲン分子の両末端にある抗原性のあるテロぺプチドを除いて精製したコラーゲンをアテロコラーゲンという。もともとテロペプチドはコラーゲン分子本体とは異質なものでアミノ酸組成も本体とは異なりアレルギー反応の原因にもなりやすい。したがって、テロペプチドを切断除外したアテロコラーゲンはアレルギー反応を起こしにくいコラーゲンといえる。アテロコラーゲンはやけどや皮膚欠損部の皮膚カバー材などの医用材として応用してきたが、可溶性コラーゲンと同様に皮膚の保湿効果が期待されるので、化粧品に用いられるようになっている。
アミノ酸【生体系保湿成分】
アミノ基をもつカルボン酸を総称してアミノ酸という。一般に水に溶けやすく、200−300℃で分解する無色の結晶である。三大栄養素の一つのたんぱく質の構成成分であり、核酸やホルモンなどの生理活性物質の母体として多様な代謝を営んでいる。天然では20数種が知られており、そのうち体内では合成されず食物からの摂取が必要な8種のアミノ酸を必須アミノ酸という。食物中のたんぱく質は消化されてアミノ酸に分解し、吸収されたのち再びたんぱく質に生合成され、生体に利用される。皮膚や毛髪は主にたんぱく質が構成成分になっている。また、汗の中にも含まれ皮膚のpHや水分含量を調節する機能をもっている。アミノ酸類は乾燥した表皮に水和性を囲復させる効果がある。
γ−アミノ酪酸(ピぺリジン酸)【生体系保湿成分】
ジャガイモの根茎、リンゴの果肉、紅テンサイの根、マメ科植物の根粒、茶の葉、哺乳動物の脳髄など動植物界に広く遊離の状態で存在している。工業的にはL−グルタミン酸を合成して得ることができる。γ−アミノ酪酸には、皮膚細胞の増殖力、修復力、水分保持力を高める働きがある。皮膚細胞にエネルギーが不足すると、増殖力、修復力、水分保持力が低下し、健康な細胞がつくられなくなり、皮膚弾力の低下やシワ発生などの老化現象があらわれる。細胞のエネルギーはミトコンドリアがつかさどっており、γ−アミノ酪酸は、ミトコンドリアのユネルギー生産の働きを盛んにする成分として着目されている。てんかん、脳出血、高血圧の治療薬として便用されるが、化粧品にも使用されている。
アルファヒドロキシ酸(AHA)【動植物性成分】
アルファヒドロキシ酸は、植物やフルーツなどに含まれる酸の一種で、皮膚表面の古い角質に働きかけ、角化(新陳代謝)を促す効果がある。この物質は、イニシヤルをとってAHAと略してよぱれる。天然に広く在在している有機酸の一種で、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などがある。1970年代に入って、J‐ミドルトンによってアルファヒドロキシ酸の一つである乳酸が角質に浸透して、乾燥して硬くなった皮膚の状態を和らげる効果をもっていることが認められた。また、E‐ヴァン・スコットは、乳酸がサメ肌に効果があることを見出した。乳酸はNMFの組成の中に乳酸塩として約12%含まれている。やはりアルファヒドロキシ酸の一つであるグリコール酸にもシワ改善効果があることが証明されている。また、グリコール酸や乳酸は、角質細胞に働いて角化の正常化を促したり、古い角質を排出するエクスフォリエーション効果と水分のバランスを維持する保湿効果をもつ。
アルブミン(乾燥脱糖卵白)【動植物性成分】
アルブミンは、動植物の細胞、体液中に含まれる一群の可溶性たんぱく質の総称である。鶏卵卵白を脱糖処理したものを噴霧乾燥して得られる。白色〜淡責色の粉末で、わずがに特異なにおいがある。構成アミノ酸にはグルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシンなどが多い。皮膜形成作用や皮膚へのコンディショニング作用があり、クリーム、乳液などに使用される。
1、3−プチレングリコール(1、3BG)【多価アルコール】
アセトアノレデヒドを合成して得られる無色、無臭の液体でわずかに甘味がある。適度の湿潤性と抗菌力があり、皮膚に対する刺激もないので、化粧品として有用である。グリセリンよりもさっぱりした使用感が保たれ、べたつきも少ないので、各種クリーム、乳液、エアゾール製品、歯みがきなどに保湿剤として、また香科の保留剤として広く使用されている。
HSオイル(HSリピッド)【生体系保湿成分】
陸産動物油および海産動物油を加水分解して得られる脂肪酸を、分別、精製し、これに脂肪酸を加えて調整し、再合成したものをさらに精製して得られる淡黄色の軟こう状固体である。人間の皮脂に近い脂肪酸組成をもち、においや経時変化の少ない安定な油脂である。皮膚に対する浸透性にすぐれ、多量に含有しても製品油感を与えない。各種クリーム、ローション、軟こうなどの油性原料として広く使用される。
SKUピテラ(酵母発酵代謝産物)【動植物性成分】
SKUピテラという酵母が分泌生産する発酵代謝物で、この分泌代謝物には、各種のアミノ酸、有機酸、水溶性多糖類およびたんぱく質などの物質が混じりあっている。これらの成分は親水性に富んでおり、すぐれた保湿性を示す。そのため、皮膚のNMF成分を補給し、皮膚の新陳代謝を活発にする効果がある。また、各種の有機酸を含んでいるので、収れん作用や脂質分泌のコントロール作用がある。このSKUピテラを、昭和55年末、某外資系メーカーが化粧水に配合、新しい発酵代謝物というキャッチフレーズを打ち出し、化粧品にバイオという言葉が登場した最初の事例である。
NMF(白然保湿因子)【生体系保湿成分】
NMFは皮膚角質内の糸細胞間脂質にはさまれた自然保湿因子をいう。肌がうるおいを保っているのは、皮脂膜の水分蒸発抑制作用と表皮の角質層が水分を保持する力をもっているからである。この角質層が水分保持能力を発揮する自然の保温成分をNMFとよんでいる。NMFは遊離アミノ酸類が40%と最も多く、それにピロリドンカルボン酸や尿素などのアミノ酸代謝物を加えると、アミノ酸はNMFの組成の60%を占める。このNMFが減少すると、乾燥して肌荒れが起こる。これを予防したり改善するために、減少したNMFを補う役割をはたすのが保湿剤である。
エラスチン【生体系保湿成分】
コラーゲンと同じ線維状たんぱく質で、真皮などの結合組織中の弾力線維の構成成分である。ゴムのような弾力性をもち、コラーゲンと異なり熱水処理によっても変化ぜず、ニカワにならない。酸やアルカリおよび酵素作用に対してもコラーゲンより抵抗性が大きい。エラスチンがゴム様の弾力を示すのは、エラスチンポリベプチド鎖が適度に架橋点で結ぱれているからである。皮膚が変形するとコラーゲンの網目が変形し、コラーゲンとからみあっているエラスチンが緊張する。力が除かれるとエラスチンの収縮力により皮膚はもとの状態に戻る。このようにエラスチンは皮膚のたるみ、シワの防止に重要な役割を果たしている。皮膚が老化するとエラスチン含量は減少し、弾力が失われ、シワの発生につながると考えられる
L−アスパラギン酸【生体系保湿成分】
多くのたんぱく質、特に植物界に広く存在し、発芽した豆類に多い。現在、工業的には酵素法により製造されている。白色の結晶性の粉未で、においはほとんどない。非必須アミノ酸で、アンモニア代謝や尿素サイクルに深い関係があり、体内の老廃物の処理、肝機能の促進、疲労回復などの作用がある。また、生体の新陳代謝に有効で、成長促進、細胞賦活作用があり、医薬品や化粧品に使用されている。食品の調味料としても使用される。
L−アスパラキン酸ナトリウム【生体系保湿成分】
L−アスパラギン酸を水酸化ナトリウムで中和して得られる。アスパラギン酸の塩としてはほかにアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸二カリウム、アスパラギン酸マグネシウムがある。うま味、塩からい味をもち、食品の調味料として用いられている。化粧品では、石けん、各種クリーム、化粧水、シャンプー、リンスなどに使用される
L−アルギニン【生体系保湿成分】
生体たんぱく質の成分として広く分布しているが、魚の白子のたんぱく質であるプロタミン中には特に多く含まれている。植物種子中には遊離の状態で存在する。白色の結晶または結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。非必須アミノ酸であるが、生体内生成速度が遅いので、幼児においては必須アミノ酸である。汗機能促進薬、肝疾患のアンモニア中毒の治療薬、たんぱく源補給の重要な一成分などとして便用される。化粧品では、トリエタノールアミンに代わる中和剤として広く使用される。
L−イソロイシン【生体系保湿成分】
L−イソロイシンはL−ロイシンと共に、細胞間脂質とよく似た構造(ラメラ構造)をつくるマイクロエマルションの水分保持力を高める。ほとんどすべてのたんぱく質にL−ロイシンと共に存在する。ペプチドホルモンやベプチド抗生物質の構成成分である。白色の緒晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。成長に欠かぜないアミノ酸であり、乳幼児には不可欠である。欠乏すると、骨格筋に障害が起こる。生体内でたんぱく質合成の素材として使われる。種々の栄養強化食品に必須アミノ酸の強化剤として使用される。また発育剤、抗貧血剤として有効であり、栄養剤、アミノ酸輸液の原料として使用される。化粧品にも使用される。
L−グルタミン【生体系保湿成分】
遊離またはたんぱく質の構成アミノ酸として植物界に広く分布する。白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味がある。酸、アルカリまたは熱水中では不安定で、加水分解されてL−ピロリドンカルポン酸に変化する。消化器潰瘍治療薬として広く使用されており、化粧品では、スキンコンディショニング剤へアコンディショニング剤として使用される。
L−グルタミン酸【生体系保湿成分】
天然たんぱく質中の主要構成成分であり、遊離の状態で生体組織や食品中に広く存在している。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味と酸味がある。グルタミン酸は多くの物質の生体内代謝に重要な役割をはたすアミノ酸である。また脳中における含量が著しく高く、重要なエネルギー源となり、脳の代謝にも関与している。石けん、シヤンプ一、リンス、頭髪用化粧品、メイクアップ化粧品、基礎化粧品などに使用される。食品では、一搬にナトリウム塩として利用されることが多い
L−グルタミン酸ナトリウム【生体系保湿成分】
1908年池田菊苗が昆布のだし汁のうまみ成分を究明して発見した化合物である。以来人工調味科として製品化されている。L−グルタミン酸ナトリウムのうま味は、グルタミン酸イオンの分子構造によるものといわれている。工業的には、グルタミン酸生産能をもつ細菌を用いた醗酵法により製造されている。石けん、シャンプー、リンス、基礎化粧品などの化粧品にも使用される
L−スレオニン(L−トレオニン)【生体系保湿成分】
必須アミノ酸の中で最後に発見されたものである。たんぱく質構成アミノ酸として牛乳、肉、卵などの動物性たんぱく質に多く含まれ、植物性たんぱく質にはやや少ない。必須アミノ酸の一種で生体内ではたんぱく質合成の素材として使われる。総合アミノ酸製剤として、低たんぱく血症、低栄養状態、手術前後のアミノ酸補給に静注、点滴静注または経口投与される。皮膚の保湿剤として化粧品に応用される。
L−チロシン(L−チロジン)【生体系保湿成分】
副腎髄質ホルモンであるアドレナリンや生体の黒色色素であるメラニンを生成するアミノ酸である。バセドウ氏病(甲状腺機能亢進)の治療薬として使用される。 化粧品では、栄養剤として使用される。
L−トリプトファン【生体系保湿成分】
各種のたんぱく質に少量ではあるが存在している。また、植物の幼芽中には遊離の状態で存在している。必須アミノ酸で体内では合成されない。ピタミンの一種であるニコチン酸や血圧上昇物質であるセロトニンに変化することなど、生命維持に欠かせない重要なアミノ酸である。医薬品としてはほかのアミノ酸と配合され、アミノ酸輸液や条念合アミノ酸製剤の成分として使用される。油脂の酸化防止効果があり、食品の品質保持や強化剤として使用される。化粧品としては栄養剤として配合される。
L−バリン【生体系保湿成分】
栄養上欠くことのできない重要な必須アミノ酸であり、ウニ味の特有な苦みの発現に関与している。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに甘いが、後に苦い。栄養剤、食品調味料に使用される。また、アミノ酸輸液、総合アミノ酸製剤などに、ほかの必須アミノ酸と共に使用される。化粧品では、石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔科などに使用される。
L−ヒスチジン塩酸塩【生体系保湿成分】
脱脂大豆加水分解物からリジンを分離する際の副産物として得られる。白色の結晶または結晶性の粉末で、無臭である。石けん、シャンプー、リンス、メイクアップ化粧品、各種クリーム、ローションなどに使用される
L−ヒドロキシプロリン(L−オキシプロリン)【生体系保湿成分】
コラーゲンの中だけに多量に含まれており、ほかの一般のたんぱく質には見いだされないアミノ酸である。したがってヒドロキシプロリンの存在はコラーゲンの存在の証明になる。コラーゲン中のヒドロキシプロリンは、プロリンがコラーゲンに合成された後、酸化されてヒドロキシプロリンになると考えられている。非必須アミノ酸で、プロリンと同様の構造をもっているが、水酸基をもっているためプロリンよりも酸化を受けやすい。スキンコンディショニング作用やヘアコンディショニング作用があり、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔料などに使用される。
L−プロリン【生体系保湿成分】
多くのたんぱく質に含まれているが、ゼラチン(約15%)に最も多く含まれている。生体内では、グルタミン酸がら生合成されるが、プロリンオキシターゼによってピロリドンカルボン酸になり、さらにグルタミン酸になる。白色の結晶または結晶性の粉未で、においはないか、またはわずがに特異なにおいがあり、味はわずかに甘い。エタノールに溶けやすいアミノ酸である点で、ほかのものとは異なる。コンディショニング作用があり、基礎化粧品や頭髪用化粧品などに使われる。
L−ロイシン【生体系保湿成分】
ほとんどのたんぱく質の構成アミノ酸として存在している。生体内でたんぱく質合成の素材として使われるほか、脂肪酸に似た代謝過程を経て最後にアセチル補酵素Aとアセト酢酸に分解する。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずがに苦い。必須アミノ酸の一種であり、生体内では合成されない。スキンコンディショニング作用、ヘアコンディショニング作用があり、クリーム、乳液、パック洗顔料、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品などに使用される
L−メチオニン【生体系保湿成分】
含硫アミノ酸の一種で、ほとんど大部分のたんぱく質中に2〜4%存在する。必須アミノ酸として生体(特に毛髪、爪など)の発育を促進し、生体内でシスチンに変化して解毒作用を示す。また、生体内で肝臓への脂肪の沈着を防止する。医薬品としては、総合アミノ酸製剤としてアミノ酸の補給、栄養価の改善などの目的で使用される。化粧品としては、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、化粧水、パックなどに使用される。
塩化マグネシウム【生体系保湿成分】
海水中に苦汁(ニガリ)の成分として存在する。豆腐の凝固剤に用いられる。皮膚に含まれるNMF物質(天然保湿因子)で、べたつかずに高い保温効果がある。
塩酸リジン(L−リジン塩数塩)【生体系保湿成分】
ほとんどすべてのたんぱく質の構成アミノ酸として存在する。天然のリジンと同一構造である。白色の粉末で、においはないかまたはわずかに特異なにおいがある。栄養上不可欠のアミノ酸であるが、ほかのアミノ酸と異なり、代謝をうけていったん変化すると再び復元しないので、たえず体外から補給しなけれぱならない。角質層に含まれるNMFに多量に含まれるアミノ酸の一種であり、皮膚に柔軟性や弾力性を与える。肌荒れ、あかぎれに有効であり、保護クリーム、軟こう類に用いられる。また、骨、歯の形成促進作用もある。
▼カ行
海水乾燥物【動植物性成分】
海水より得た無機塩の混含物であり、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及び塩化カリウムからなる。海水濃縮方法により塩化ナトリウムを半分以下に減塩したオリゴメールやシーミネラルリッチなどがある。また、死海の塩も天然海水乾燥物として化粧品に応用されている。基礎化粧品、ボディ化粧品や浴用剤に配合されている。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムそのほか多数の微量イオン成分が皮膚細胞にエネルギーを与え、肌の新陳代謝促進とうるおいをもたらす。また、ボディケアでは体内の水分排出により痩身効果と美肌効果が期待されている。ヨーロッパでは海水と共に海泥、海藻を用いたタラソテラピー(海洋療法)が盛んである。
核酸【生体系保湿成分】
生物を構成する細胞の中にすべて含まれており、生物が生きていくうえでの重要な役割をしている物質で、それを構成する糖の種類により、リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)との2種類がある。核酸が細胞の中でたんぱく質の合成に強力に働いているものと考えられる。RNAにはいろいろな種類があり、いずれも細胞内のたんぱく質合成に関係している。細胞内には、核内のDNAの遣伝情報を写しとって合成の場であるリポゾームヘ伝える伝令RNA、アミノ酸の運搬をする転移RNA、リポゾームの構成成分で、あるリポゾームRNAの3種類がある。DNAは核内の染色体に含まれ、その分子構造の中に遣伝情報が刻まれた遣伝子の本体である。1970年代後半からの急速な遣伝子工学の発展、生化学的方法の発展に伴い、その合成、複製、組み換えなども試みられるようになった。
加水分解エラスチン(エラスチン加水分解物)【生体系保湿成分】
通常、エラスチンは不溶性であるので、酸またはアルカリによる化学処理またはエラスターゼて加水分解し、可溶性としたものが加水分解エラスチンである。水溶液は淡黄褐色〜茶褐色の液体で、においはないかまたはわずかに特異なにおいがある。エラスチンには蛍光物質が含まれており、加水分解エラスチンも黄色に着色していることが多い。皮膚や毛髪の保護改善や表皮の柔軟性の増大に有効である。また、化粧品の感触改善にも有用である
加水分解ケラチン【生体系保湿成分】
ケラチンは表皮の角質層や毛髪、爪などに含まれるたんぱく質であり、含硫アミノ酸(イオウ原子を含むアミノ酸)であるシスチンが多量に含まれている。化粧品に応用される加水分解ケラチンは、シスチン結合(S一S結合)を切断したものをさらに酸、アルカリ、酵素などにより加水分解し、分子量を数千程度にしてある。水溶液と粉末伏のものがある。淡黄色〜褐色の粉末で、、わずかに特異なにおいがある。また、水溶液は淡黄色〜褐色の透明液体である。多くの極性アミノ酸を含有しており、構成アミノ酸のうちグルタミン酸、シスチンなどが多い。皮膚や毛髪のコンディショニング剤として、クリーム、乳液、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品などに使用される。
加水合解コラーゲン液【生体系保湿成分】
コラーゲンたんぱく質加水分解物、またはその塩の水溶液である。淡黄色〜濃褐色の透明またはわずかに混濁した液体で、特異臭がある。皮膚や毛髪に対し、保護作用、湿潤作用、柔軟作用がある。
加水分解コラーゲン末【生体系保湿成分】
コラーゲンたんぱく質加水分解物を粉末状にしたものである。白色〜淡黄色の粉末で無臭またはわずかに特異臭がある。水に溶け、ほとんど透明、またはわずかに混濁した粘性の液体となり、常温でゲル化しない。保護作用、湿潤作用、柔軟作用があり、広く化粧品に配合される。
加水分解コラーゲンエチル【生体系保湿成分】
コラーゲンたんぱく質加水分解物のエチルエステルの25%エタノール溶液である。淡黄色〜褐色の透明または混濁した液体で、特異臭がある。コンディショニング剤として、シヤンプー、リンス、クリーム類、乳液、メイクアップ化粧品などに使用される。
加水分解コラーゲンヘキサデシル【生体系保湿成分】
コラーゲンたんぱく質の加水分解物とへキサデシルアルコールとのエステルのエタノール溶液である。淡黄色の透明な液体で、においがある。皮膚や毛髪に対して保護作用、湿潤作用、柔軟作用がある。油性感のあるつやを出す。
加水分解コンキオリン液(真珠たんぱく描出液)【動植物性成分】
アコヤ貝貝殻または真珠を微細な紛末としたものに酸を加えて脱灰した後、たんぱく質であるコンキオリンを得る。このコンキオリンを加水分解して得られたコンキオリンたんぱく加水分解物の水溶液である。淡褐色〜淡黄色の液体で、アミノ酸臭がある。皮膚や毛髪への親和性にすぐれており、皮膚や毛髪につやとさっぱりした感触を与える。
加水分解シルク【動植物性成分】
蚕の絹繊維を構成するたんぱく質フィブロインを酸、アルカリまたはたんぱく分解酵素の下で加水分解して得られる可溶性たんぱく質の水またはエタノール溶液である。類白色〜黄褐色の液体で、わずかに特異なにおいがある。グリシン、アラニン、セリンが持に多く含まれており、コラーゲンやケラチンなどの加水分解防上はやや異なる。多くのたんぱく加水分解物に比べて吸湿性は少ないが、皮膚や毛髪に対する吸着性や浸透住にすぐれているので、良好な保湿効果が期待できる。また、チロシナーゼの活性抑制作用があり、メラニン色素の生成を抑える美白効臭もある。石けん、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔料などに使用される。
加水分解ゼラチン末【生体系保湿成分】
ゼラチンを加水分解して得られる水溶性の粉末たんぱく質である。ゼラチンのアミノ酸組成はグリシン、プロリン、オキシプロリンなどを多く合む。保護コロイド、乳化、粘着などの作用がすぐれている。
加水分解卵殻膜(卵殻膜ケラチン末、EMプロテイン)【動植物性成分】
ニワトリの卵殻膜をアルカリまたは酵素により加水分解して得たものである鳥類の卵殻内面に存在する薄膜で、創傷治癒効果があることは、相撲力士の間で広く知られていて、現在でも利用されている。主成分はたんぱく質であり、これに糖が結合し、糖たんぱくとして存在する。保湿効果、活性酸素除去効果、細胞賦活効果をもつ。真皮中のコラーゲンを増やす働きがあり、シワを予防する化粧品に応用されている。
カゼイン【動植物性成分】
牛乳や豆類中に含まれている複合たんぱく質である。牛乳中には約3%含まれており、たんぱく質の主要構成成分となっている。通常カルボキシル基やリン酸基と結合したカルシウムと複化合物をつくり、コロイド状に分散している。主要アミノ酸組成は、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、チロシン、ロイシンなどである。すぐれたたんぱく源としての栄養価、乳化カ、保水力を利用して食品の増粘剤、安定剤、乳化剤などとして使用される。化粧品には、増粘剤、懸濁剤、柔軟剤、乳化助剤などの目的で使用される。工業的には、主として製紙工業における紙のコーティング剤などとして利用される。
褐藻エキス【動植物性成分】
世界には約二万種の海藻がある。わが国では海藻の種類と抽出方法により、次の4種の梅藻エキスに分類されている。
▼海藻エキス(1)
褐藻類の全藻またはめかぶ(胞子葉または成実葉)から水、ユタノール、各種多価アルコールまたはこれらの混液で抽出したエキスで、主としてアミノ酸を含む。
▼海藻エキス(2)
褐藻類の全藻から塩化ナトリウム溶液で抽出したエキスで、主としてアルギン酸からなる。
▼海藻エキス(3)
褐藻類に属するコンブ属および紅藻類に属するエギス属の全藻から水にて抽出したエキスで、主としてアルギン酸およびカラギーナンよりなる。
▼海藻エキス(4)
褐藻類、紅藻類および緑藻類の全藻からブチレングリコール溶液で抽出したエキスである。

可溶性コラーゲン(水溶性コラーゲン)【生体系保湿成分】
牛または豚の皮膚、骨髄組織あるいは牛の胎盤から抽出して得る。コラーゲンの分子は分子量10万(約1000個のアミノ酸から構成されている)のポリペプチド鎖が3本集まって、3本の鎖がラセン状に三つ編みのようになっている。この分子の両未端はラセンを巻いておらず、テロペプチドとよぱれている。この部分は架橋(橋かけ)が行われたり、抗原性に関係をもっている。仔牛の皮膚のような若い組織を希酸水溶液で抽出すると、分子間架橋で結ばれていない(交差結合のない)コラーゲン分子が得られる。このように分子状分散で抽出されるものが可溶性コラーゲンである。抽出によって得られる可溶性コラーゲンの量は非常に少なく数%程度であり、大量に得ることは不可能である。可溶性コラーゲンは無色または乳白色の液体またはぺ一スト、または白色〜淡黄色の粉末で、特異なにおいがある。水溶液を40℃以上に加熱すると、ラセンがほどけてゼラチンになり、粘性も失われる。コラーゲンに含まれているアミノ酸のl%はグリシンであり、ほかのたんぱく質にはないヒドロキシプロリンが合まれている。化粧品に配合すると皮膚との親和性にきわめてすぐれ、皮膚の保護効果が期待できる。水とよく水和するため、皮膚への水分補給による保湿機能の改善にも貢献し、皮膚の正常な生理作用を妨げることもない。
乾燥酵母【動植物性成分】
酵母の菌体を乾燥して粉末としたものである。淡黄白色〜褐色の粉末で、持異なにおいおよび味がある。酵母はギリシヤ、ローマ時代に医療目的に使用されたといわれ、今世紀に入ると生化学の進歩と共に酵母の薬効が認められるようになった。乾燥酵母にはビタミン、ミネラル、アミノ酸、たんぱく質、糖質、核酸関連物質などの成分が含まれている。化粧品には、化粧水、クリーム、パックなど基礎化粧品、シャンプー、リンスなどに配合される。
含硫ケイ酸アルミニウム(マリンクレイ)【動植物性成分】
主としてイオウを含んだ含水ケイ酸アルミニウムからなる灰白色〜灰色の粉末でにおいはない。太古より海底もしくは湖底に堆積した動植物の分解物、ミネラル分と土壌が崩壊してできた成分などからなる。海泥、ペロイド、ミロナイト・ネクトン、骸泥などがあり、ヨーロッパでは海洋療法(タラソテラピー)や温泉療法に昔から応用されている。化粧品には、泥のすぐれた吸者効果を利用したクレンジングやパック剤がある。泥の吸着効果で毛穴の汚れや余分の皮脂を取り除く効果がある。また、貴重な各種ミネラルの微量元素は皮膚のホメオスタシスを助け、肌のキメを整える。
キシリット(キシリトール)【多価アルコール】
糖アルコールの一種であり、キシロースの還元で得られる。自色、無臭の結晶または結晶性の粉未で、においはなく甘味がある。糖尿病患者のエネルギーと水分補給の医療目的で使用される。化粧品では、保湿剤、保香剤として各種クリーム、ローションなどに使用される。医薬品には、軟こう基剤、坐薬などの湿潤剤として用いられる。食品には、油脂の変敗防止、色素の安定化ピタミンCの安定化、蓄肉、魚肉の練り製品の変質防止などに応用されている。
キチン、キトサン【動植物性成分】
キチンは多糖類の一種で、セルロースと類似した構造をもっている。キチンはカニ、エビの中殻類、昆虫類の外骨格、菌類の細胞壁構成成分として自然界に分布している。工業的には、カニやエビの殻を主原科としてキチンが得られる。キトサンほ自然界ではある種のカビの細胞壁に含まれており、工業的にはキチンから製造する。キチンやキトサンは使用感が、ヒアルロン酸によく似た保湿性を有し、化粧品に配合すると、皮膚や毛髪に吸着して保湿効果や皮膜形成する。
牛額下腺ムチン【動植物性成分】
牛の顎下腺から直接採取した唾液を原科としたもので、たんぱく質骨格にオリゴ糖鎖が多数結合した糖たんぱく質である。生体内においては、食物やその消化残滓などを包み、それらの消化管内の移動の際、滑剤として働くと共に、粘膜を機械的損傷から保護する役割をもつといわれている。ヒアルロン酸とコラーゲンの中間的な吸湿性があり、環境湿度の影響を受けにくい性質をもっている。また、ヒアルロン酸やコラーゲンに比較してケラチンへの吸着性が高い。保湿剤として化粧品に応用されている。
牛胸腺描出物【動植物性成分】
仔牛の胸腺から抽出した黄褐色〜褐色の透明な水溶液である。皮膚細胞を活性化する働きがあり、クリーム、乳液、ローションなどの老化防止を目的とした基礎化粧品および頭髪用製品に配合される。
牛血液除たんばく液(セルニュー)【動植物性成分】
牛の血液の水溶液を除たんぱくして得たものである。細胞が酸素を取り入れる働きを高めると共に、細胞賦活成分として細胞の生まれ変わりを助ける。
牛脾蔵抽出エキス(リバイタリン)【動植物性成分】
牛の脾臓から抽出した低分子の水溶性エキスである。脾臓は血管及びリンバ組織に富んでおり、細網内皮系を構成している最も重要な器官である。また、哺乳動物の脾臓には毛細血管の透過性や炎症などに関与する作用物質(スプレニン)があることも知られている。リバイタリンは、プラセンターエキスと同様に、細胞が酸素を取り入れる働きを高め、細胞の生まれ変わりを助ける細胞賦活効果がある。また、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンをつくっている細胞で、真皮の中に存在している。線維芽細胞の生長促進効果も認められている。リバイタリンはアミノ酸、ペプチドなどを主成分としており、保湿効果の高い原科として化粧品に配合されている。
牛乳糖たんぱく【動植物性成分】
牛乳より得られたカゼインを加水分解して得られる黄たんぱくの紛末である。白色〜乳白色の粉末で、わずかに特異臭がある。メラニン生成抑制作用、コラーゲン合成促進作用があり、パック、浅顔料などに使用される。
グアノシン【生体系保湿成分】
リボ核酸の加水分解により得られる。核酸の成分として存在し、広く生物界に分布している。酸で容易に加水分解されグアニンとD−リボースを生じる。スキンコンディショニング剤としてナイトクリーム、ローションに使用されるほか、調味料の合成原科となる。
グアニン【生体系保湿成分】
核酸の構成成分の結晶であり、アデニン、ヒポキサンチンと共に重要なものの一つである。アデニンと共に核酸の成分として広く生物細胞に分布している。グアノシンの化学分解によりつくられる、白色〜微黄色の結晶性粉末で、わずかに特異臭がある。皮膚細胞が栄養を取り入れる働きを高め、細胞の生まれ変わりを助けるので、細胞賦活剤としてクリーム類に使用される。水溶液は紫外線を吸収する。
グリコール酸【動植物性成分】
サトウキピ、未熟のブドウの実や葉などに存在する成分である。クロル酢酸を加水分解するか、グリシンに亜硝酸を作用させて得られる。白色結晶または結晶性粉末である。吸湿性があり、pH調整剤として化粧品に使用される。また、コラーゲン、エラスチンなどをつくりだしている線維芽細胞を増殖させ、真皮結合組織を生成し、シワを改善する効果がある。
グリシン(アミノ酢酸)【生体系保湿成分】
グリシンはもっとも簡単な、不せい炭素原子をもたない唯一のアミノ酸である。白色の結晶または結晶性粉末でにおいはなく、味は甘い。グリシンは生体内でセリンなどから生合成される。さらにグリシンからクレアチン、グルタチオン、グリコール酸など生理的に重要な多くの物質が生合成される。解毒作用があり、尿中に排泄される。また、エタノールより強い血管拡張作用がある。医薬品としては、栄養剤、制酸剤、解毒剤として、また、筋無力症のクレアチン生成促進剤などとして用いられる。食品としては調味、保存科などとして用いられている。化粧品原料としては、制菌作用、キレート作用、酸化防止作用などもあり、石けん、歯みがき、頭髪用製品、クリーム類、洗顔科などに使用される。
グリセリン【多価アルコール】
少ない量ではあるが、グリセリンは皮脂肪膜の分解によって生成する天然の皮膚成分である。もっとも古くから用いられてきた保湿剤であり、非常に吸湿性が強く現在でも多くの化粧品に使われている。動植物油脂より石けんまたは脂肪酸を製造する際の副生物として得られるが、これを脱水、脱臭などの精製をして得られる無色、無臭の粘性液体で甘い味がする。グリセリンは、保湿剤として製品の硬さや粘度を長期間一定に保持させる目的で使用される。また、皮膚に対する柔軟剤として、製品ののび、滑りをよくする。吸湿牲を有し、皮膚に対してうるおいを与え、しっとりとした感触を与えるが、ただし、使用量を多くすると、皮膚の水分を吸収してしまい、皮膚を荒らす原因となることもあるので処方的検討が必要である。グリセリンとヒアルロン酸ナトリウムを併用することで角質柔軟効果が高まることがわかった。
グルクロン酸【生体系保湿成分】
代表的なウロン酸で、動物界では、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの構成成分として分布する。またアルコール類、フェノール類とのグリコシドの形で尿中に存在し、肝臓内にあってはヒドロキシル基をもつ毒性物質を解毒する働きをする。ウロン酸の一般的製法により得られる。
グルコサミン(キトサミン)【動植物性成分】
代表的な天然のアミノ糖で、動植物、微生物の多糖、特にムコ多糖、糖たんぱく質および糖脂質の構成成分である。キチンの構成単位としてエビやカニの殻に多量に含まれており、そのほかヒアルロン酸の構成成分として動物体に広く分布している。キチン質を塩酸で加水分解し塩酸塩として得られる白色の結晶性粉末で、無臭である。保湿剤として化粧品に使われる。
血清アルブミン【動植物性成分】
血漿から得られる血清たんぱく質の55〜60%を占める。化粧品では、皮膜形成作用、皮膚へのコンディショニング作用があり、基礎化粧品などに使用される。
ケラチン【生体系保湿成分】
コラーゲンと同じ線維状たんぱく質で毛髪、爪、羽毛、角など動物体の最外層をおおう組織を構成する構造たんぱく質の一種である。体外の化学的、物理的刺激から生体の内部を保護する役割を果たしている。皮膚の角質もケラチンからなっており、角質層の水分保持をしている。コラーゲンやエラスチンと異なり、構成アミノ酸の中にシスチンが多く、シスチン結合(S〜S結合)によって多数のアミノ酸鎖を強固に結びつけ強じん性、不溶性で物理的、仕学的抵抗性のある細胞で、鎧の役目をする。しかし、チオグリコール酸などの還元剤や過酸化水素などの酸化剤、アルカリなどシスチン結合を切断するような物質には弱く、この性質を利用してパーマネントウェーブ用剤や脱毛剤がつくられている。
ケラチンアミノ酸【生体系保湿成分】
ケラチンを完全に加水分解して得られるアミノ酸の混合物である。グルタミン酸、シスチン、セリン、アルギニン、ロイシンおよびイソロイシン、プロリンなどを多く含む。皮膚、毛髪のコンディショニング、作用があり、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、ネイルエナメルなどに使用される。
酵素【生体系保湿成分】
生体の細胞の中でつくられ、触媒の作用をするたんぱく質の総称である。生体内での分解や合成・酸化・還元など無数の複雑な化学反応はすべて酵素の働きによって穏やかな条件で容易に、しかも円滑に行われている。ほとんどの場合、酵素の触媒作用はきわめて特異的で、ただ二種の物質あるいは共通の構造要素をもつ一群の物質にしか作用しない。生体内にはきわめて多種類の酵素が存在しているが、通常その機能によって酸化還元酵素、加水分解酵素、転移酵素、離脱酵素、異性化酵素、合成酵素などの6種に分けられる。よく知られているものは食物を加水分解する消化酵素類で、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ)や脂肪分解酵素(リパーゼ)は化粧品に応用されている。また、発酵や腐敗も微生物が産出する酵素によって行われる反応である。なお、酵素はたんぱく質であるため種々の外的条件、すなわち水の存在、温度、pH、金属イオンの存在などによって速やかにその作用を失うので、貯蔵や保管には厳重な注意を要する。
酵母エキス【動植物性成分】
酵母とは、単細胞の菌類の一群である。繁殖力と発酵力が強く、糖分を分解してアルコールと二酸化炭素とにする力がある。酵母エキスは淡黄色〜褐色の粉末あるいは液体であり、次の5五種類が化粧品に配合されている。@酵母の自己消化によって得られた消化液の噴霧乾燥物A乾燥酵母の自己消化によって得られた消化液をミクロフィルターにより無菌的にろ過後、凍結乾燥して濃緒したものを精製水で希釈(簿めること)したものB酵母の自己消化によって得られる消化液を濃縮、乾燥したものからプロピレングリコール、1、3―ブチレングリコール、精製水で抽出し得られるものC酵母の菌体を乾燥して粉末にしたものから精製水および濃グリセリンの混液で抽出して得られるものD酵母を酸で加水分解した後、遠心分離、透析、ろ過、濃縮により得られるもの。酵母エキスには、各種アミノ酸、ピタミン、核酸関連物質、ミネラル、有機酸、たんぱく質、糖質、脂質などの成分が含まれている。保湿作用、細胞賦活作用があり、クリーム、化粧水、毛髪用化粧品などに使用される。
コラーゲン【生体系保湿成分】
コラーゲンは哺乳動物の皮膚、腱、骨、血管などの結合組織の膠原線維を構成している線維状たんぱく質である。その構成は、グリシン、プロリン、アラニン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アルギニンなど約20種のアミノ酸からなっている。コラーゲンには可溶性(ソルブル)コラーゲンと不溶性(インソルブル)コラーゲンがあり、可溶性コラーゲンは生体組織内で、その分子が自由に入れかわることのできる交差結合(分子間架橋)を起こしていないコラーゲンで、皮膚に保水性、弾力性を与える。また、年をとったり素外線にさらされた皮膚は、コラーゲンの交差結合が増加し不溶性コラーゲンが増えるために、弾力と水分保持能力が減少し、シワが形成され、皮膚は老化するのである。可溶性コラーゲンは皮膚の結合組織の繊維形成細胞を刺激し、新鮮な繊維形成を促進させ、毛細血管機能を高め、水分保持能力、弾力性を増すので、皮膚の老化防止、若返りの目的で化粧品に使用されている。
コラーゲンアミノ酸【生体系保湿成分】
コラーゲンたんぱく質を完全に加水分解して得られるアミノ酸の混含物である。グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、ロイシンおよびイソロイシン、リジン、バリン、セリンなどを含む。皮膚や毛髪に対してコンディショニング作用があり、頭髪用化粧品、クリーム、ローションなどに使用される。
コラーゲン加水分解物(加水分解コラーゲン)【生体系保湿成分】
主として牛または豚の骨、皮などを酸、アルカリ、酵素などにより加水分解して得られるコラーゲンたんぱく加水分解物である。毛髪の損傷を防止し、また毛髪に柔軟性と光沢を与え、その帯電防止効果によりくし通りをよくする。皮膚に対しては、乾燥した皮膚に水分を保持し、肌荒れを防ぎ、うるおいとしなやかさを維持する。
コンキオリンパウダー【動植物性成分】
コンキオリンは貝類に特有な硬たんぱく質で、貝殻中に約3%含まれている。また、真珠中にも同様なたんぱく質が含まれており、貝殻や真珠の防御のほか、その成長やつやにも関与していると考えられている。貝殻中に簿い膜を何層か形成して存在する構造たんぱく質の一種である。グリシン、アラニンなどが多く、コラーゲンやシルクに類似している。皮膚や毛髪への親和性にすぐれ、皮膚にやさしくさっぱりとした感触を与える。
混合異性化糖(ベンタパイテン)【生体系保湿成分】
ブドウ糖の希アルカリ処理物と乳糖の希アルカリ処理物を19:1の割合で混合した糖類の混合物で、主としてブドウ糖および果糖よりなる。黄赤色透明の液で、わずかに特異臭がある。皮膚の保湿成分(NMF)の一つである中性糖成分とほぼ同じ組成をもつ糖の混合物である。通常の保湿剤に比べ低湿度下でも保湿効果があり、持続性もある。
混合粘物抽出液(マルチフルーツ、BSC)【動植物性成分】
コケモモ、オレンジ、レモン各々の果実およびサトウキピの茎およびサトウカエデの樹液から水で抽出して得られるエキスである。その成分ほ主として乳酸、グリコール酸、クエン酸からなる。この混合フルーツ酸は話題のアルファヒドロキシ酸を多く含むため、その保湿効果と共に、角質の角化を正常にする効果が期待できる。
コンドロイチン硫酸ナトリウム【生体系保湿成分】
哺乳動物または魚類の軟骨から抽出、精製して得られるコンドロイチン硫酸のナトリウム塩である。酸性ムコ多糖類の一種で軟骨、骨、健、血管壁、皮膚そのほかの結合組織の基質成分として、たんぱく質と結合し動物体内に広く分布している。白色〜淡黄白色の粉未で、わずかに特異なにおいおよび味がある。吸湿性で水によく溶けるが、アルコール、アセトンなどには溶けにくい。水溶性高分子(水に溶けて高粘度の粘液質をつくる)としての性質から、保湿剤、あるいはなめらかな使用感を与える感触改良剤として、クリーム、ファンデーション、口紅、歯みがきなどに使用される。医薬用としては動脈硬化、解毒、神経痛、関節炎、あるいは腎炎の治療および予防に用いられ、目薬にも配合されている。食品関係の保湿剤、乳化安定剤としても用いられる。
▼サ行
サイタイ抽出液(サイタイエキス)【生体系保湿成分】
健康牛の臍帯(ヘソの緒)を原科として抽出した酸性ムコ多糖類を含む淡黄色透明で粘稠な液体である。成分はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、へバラン石施竣、へパリン、ケラタン硫酸である。すぐれた水分保持力と多糖類特有の粘性をもっている。保温剤として、クリーム、ローション、乳液などの基礎化粧品に用いられている。
細胞間脂質【生体系保湿成分】
皮脂が皮膚の外側で水分の蒸散を防ぐのに対し、皮膚の内側で水分を保持する働きをするのが、細胞間脂質とよぱれる物質である。これらの脂質は、セラミド、遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールサルフェ一トなどから構成されている。細胞間脂質は表皮の角質層の中で、細胞と細胞の間を満たし、細胞同士をつないできれいな層を整える役割をしている。これを建造物に例えると、角質細胞はブロックであり、細胞間脂質はブロックとブロックを接着する役割をしているセメントということになる。細胞間脂質は分子が特殊な層状構造(脂質二重層)になっており、そこに水分をはさみ込むことで、保湿機能をはたしている。老人の皮膚にあらわれる老人性乾皮症は、老化により角化が正常に行われずに、細胞間脂質が正常に形成されないために、角質層の蒸散が増して皮膚が異常に乾燥するのである。細胞間脂質は老化と共に減少するので、肌の若さの指標にもなる。
酸性ムコ多糖類【生体系保湿成分】
真皮の主要成分の一つであるムコ多糖類は、コラーゲンと複合体を形成して真皮に水分を保持さぜる作用を有するため、皮膚の老化にも関与している。皮膚の保水効果を期待して牛の臍帯(へソの緒)やニワトリのトサカなどから抽出した酸性ムコ多糖類が化粧品原料として利用されている。これらの酸性ムコ多糖類はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸からなり、そのほかにデルマタン硫酸やへパリンなども合まれている。多糖類特有のすぐれた感触と共にすぐれた保湿効果がある。酸注ムコ多糖類の主成分であるヒアルロン酸は、グルコサミン(アミノ糖の一一種)とグルクロン酸(ウロン酸の一種)とからなる多糖類であるが、その周辺に多量の水分を保留し、理論的にはヒアルロン酸1g当り600ml以上の水分を保持することが可能といわれている。このようなヒアルロン酸の水分保持効果が脚光を浴び、ヒアルロン酸ナトリウムの形で化粧品に用いられている。コンドロイチン硫酸ナトリウムはヘキソサミン、ウロン酸、硫酸からなる酸性ムコ多糖類のナトリウム塩であるが、保湿剤あるいは使用感の改善のために用いられている。
ジグリセリン【多価アルコール】
グリセリンの脱水縮合体である。ほとんど無色透明な液体で、ほとんどにおいがない。グリセリンと同様に保湿剤として使用される。
シスチン【生体系保湿成分】
硫黄を含有するアミノ酸(含有アミノ酸)の一種で、多くのたんぱく質中に少量ずつ含まれている。特に毛髪、皮膚などを構成するたんぱく質ケラチン中には多量に含まれている。分子内にシスチン結合といわれるジスルフィド構造(−S−S−)を有し、毛の硬さ、強じん性、弾力牲、伸展性に重要な役割を果たしている。シスチンは非必須アミノ酸で、容易に還元されて水溶性のシスティンに変化し、空気酸化によって元の難溶のシスチンにもどる。養毛剤として使用されるほか、皮膚アレルギー疾患の治療、解毒剤、造血剤、乾せんの治療に用いられる。石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、化粧水、パックなどに使用される。
システイン【生体系保湿成分】
含硫アミノ酸の一種で、シスチンが還元されてシスチン結合が切れた形での物質で、体内にあっては代謝に重要な役割を果たす物質の一つである。還元作用を有し、水素を放出してほかの物質を還元すると共に自らは酸化されてシスチンになる性質を応用して、チオグリコール酸と同様にパーマネントウェーブ用剤の第一剤(還元剤)の主成分として使用されている。
ジプロピレングリコール(DPG)【多価アルコール】
プロピレングリコールの脱水縮合体である。無色透明な粘注の液で、わずかに特異なにおいがある。皮膚に対してべたつきの少ない保湿剤として、また製品のび、滑りをよくする目的の柔軟剤として広く化粧品に使用されている。
脂肪分解酵素(リパーゼ)【生体系保湿成分】
汚れを落ちにくくしている皮膚表面の不要になった皮脂などを分解除去する効果の高い酵素である。洗顔用化粧品に使用される。
植物性複合酵素【生体系保湿成分】
植物性複合酵素は、野菜、果実、野草、海藻など60数種類の植物群から抽出されるもので、酵素独自の働きとしては、たんぱく分解作用、脂肪分解作用、消炎作用、浸透庄作用そのほかの働きがある。もともと医療用として広く使われてきたカ、化粧品分野にも利用されるようになった。あくまでも化粧品に使用する量としては少量であるが、植物性のおだやかな働きが老化した角質を円滑にとり除き、汗腺からの汗、皮脂線からの皮脂分泌を促し、皮膚呼汲も容易に行われるなどの働きがある。
シルクアミノ酸【動植物性成分】
蚕の絹繊維を構成するたんぱく質であるフィブロインを加水分解して得られたアミノ酸の混合物である。主要成分はグリシン、アラニン、セリン、チロシン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンである。皮膚や毛髪に対する吸着性や浸透性にすぐれており、均一な保護膜を形成する。皮膚や手髪のコンディショナーとして化粧品に使用される。
シルク描出液【動植物性成分】
蚕から得られる絹繊維を化学処理して、ろ液を得る。このろ液のpHを調整し、ろ過して得られた溶液である。微黄色の液休で、わずかに特異なにおいがある。主成分はグリシンとアラニンであり、皮膚や手髪に対する吸着性や浸透性にすぐれており、基礎化粧品、頭髪用化粧品などに使用される。
シルクパウダー【動植物性成分】
蚕の絹繊維を構成するたんぱく質であるフィブロインの紛末である。白色または灰白色の紛末で、わずかに特異なにおいがある。皮膚や毛髪に対して高い親和性をもっている。シルクのもつなめらかな肌触り、色調、光沢などが使用感を改善し、皮膚に対する柔軟性、保湿性を向上させる。石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、メイクアッフ。化粧品、クリーム、乳液、パック、浅顔料に使用される。
水溶性エラスチン【生体系保湿成分】
エラスチンはコラーゲンと共に結合組織中に存在し、組織の伸縮性に関与している。皮膚真皮には乾燥重量あたり1.5〜4.8%含まれている。エラスチンは通常不溶性であり、化学処理し水溶化する必要がある。水溶性エラスチンは牛の頸部の腱より抽出したエラスチンを水溶化したものである。淡黄褐色の液体で、無臭である。エラスチンを構成するアミノ酸はグリシンが最も多く、ほかにアラニン、バリン、プロリンなどからなる。化粧品に配合されているエラスチンはコラーゲンと同様、保湿成分としての効果が高いのが特徴である。うるおいとつやを与えて乾燥を防ぎ、たるみがちな肌をしっとりなめらかに整える。クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔科、ファンデーションなどに使用される。
スフィンゴ脂質(セラミド)【生体系保湿成分】
角質細胞間脂質の一種で、うるおいを守り、キメを整える有効成分である。細胞間脂質は表皮細胞のすき間を埋めて水分の蒸散を防ぐことが認められている。セラミドは角質の水分保持に重要な役割を果たしており、このセラミドを主体とするスフィンゴ脂質は哺乳動物の脳から抽出されるが、精製技術が進み純度の高い無臭に近いものが天然系素材の保湿剤として配合されている。また、類似細胞間脂質には大豆レシチンや熟成カミツレを抽出、精製したものなどがある。
ゼラチン【生体系保湿成分】
動物の骨、皮膚、じん帯または腱を酸またはアルカリで処理して得られた粗コラーゲンを水で加熱柚出して得られるゼリー状を呈するものである。無色〜淡黄色の簿板、細片、粒または粉末でにおいおよぴ味はない。水には溶けないが、水を加えると徐々に膨潤して5〜10倍量の水を吸収する。動物の結合組織中に含まれているコラーゲンはゼラチンの無水物である。乳化剤乳化安定剤、増粘剤、ゼリー基剤などとして化粧品に使用される。また、結合剤として固形おしろいなどにも使用される。医薬品の製剤基材として、カプセル、錠剤、トローチ、坐薬、さらに細菌試験の培地にも使用される。そのほかに、製菓、食晶加工、写真乳剤、墨、接着剤などにも広く使用される。
セリシン【生体系保湿成分】
絹系由来の繊維状たんぱく質であり、褐色がかった灰色の液体を熱水処理とエタノールで精製して得られる白色固体の硬たんぱく質である。フィブロインで構成されており、皮膚および毛髪に均一な保護膜を形成する。蚕のつむぐ二重の絹糸は、セリシンの保護膜でおおわれている。このセリシンに含まれるアミノ酸鎖(ポリペプチド)は、皮膚を構成しているたんぱく質と類似しており、付着性にすぐれている。また、セリンおよびアスパラギン酸を多く含有しているため水分保持力がある。セリシンに多く含まれる親水性アミノ酸基は、多数のたんぱく質に対して高い親和性を示している。皮膚への親和作用、保湿作用、細胞賦活作用がある。なめらかな感触と皮膜性があるためクリーム、乳液などの基礎化粧品などに用いる。
セリン【生体系保湿成分】
多くのたんぱく質中に少量ずつ含まれているが、特に絹のたんぱく質であるセリシンに多く含まれている。非必須アミノ酸であり、グルコース(ブドウ糖)から生合成され、さらに分解されるとグリシンが生成する。NMF中に遊離アミノ酸として一番多く含まれている。保湿効果が高く、皮膚に柔軟性や弾力性を与える。
ソルビトール(ソルビット)【多価アルコール】
広く動植物に存在する多価アルコールで、藻、海藻、タバコおよぴ多くの果物(リンゴ、、モモなど)に含まれている。工業的には精製ブドウ糖(グルコース)を還元して得られ、白色の粉未で清涼な甘味がある。吸湿作用はほかの保湿剤に比べて緩和であるが、乾燥に対して水分を一定に保つ性質もあるので、保湿剤、柔軟剤として各種化粧品に用いられる。皮膚や口腔粘膜に対して高濃度でも毒性や刺激性がまったくないので、歯みがきなどにもグリセリンの代わりに使用される。
▼タ行
大豆たんばく質【動植物性成分】
大豆から繊維質、脂肪などを除去したものである。たんぱく質分を90%以上に精製したものは、SPI(分離大豆たんぱく質)とよぱれる。大豆たんぱく質の分離精製法としては、化学的分別法と物理的分別法がある。品質の安定性、安全性などにより、食品原科として広く使用されている。保水性、乳化性、ゲル形成性にすぐれており、保湿剤、乳化安定剤などとして化粧品にも使用される。
大豆たんばく加水分解物【動植物性成分】
食品用脱脂大豆を水に分散させて水酸化ナトリウムでpHを調整した後、たんぱく分解酵素トリプシンを加えて加水分解する。分解後ろ過し、ろ液を濃縮冷却し、塩酸を加えたものである。淡黄色〜褐色の液体で、わずかに特異なにおいがある。保湿剤、乳化安定剤などとしても化粧品に使用される。
大豆リゾリン脂質(リゾレシチン)【生体系保湿成分】
レシチンを酵素により、アルキル鎖を一つ取り除いたものである。レシチンより親水性が増し、界面活性が強くなる。複合脂質の一種で、リポソームと同様、細胞膜の組成と非常に良く似ているため、肌内部の細胞まで浸透し、細胞膜に取り込まれるように入り、保湿効果を高める。リゾリン脂質によるヒアルロン酸産生促進作用の有ることがわかり注目されている。
大豆リン脂質(大豆レシチン)【生体系保湿成分】
大豆から抽出したリン脂質である。淡黄色〜褐色の透明または半透明の強粘性の物質で、わずかに特異なにおいがある。天然の界面活性剤として、多くの分野で多目的に使用されている。乳化剤、保湿剤、リポソーム化剤として、クリーム、乳液、ファンデーション、化粧水などに使用される。多くの場合、水素添加で酸化安定化した水素添加大豆レシチンが使われている。また、医薬品分野においても、抗動脈硬化コレステロール低下、血圧降下の目的で用いられる。食品分野においても、パンなどの乳化分散剤、めん類の品質改良剤、マーガリンなどの乳化安定剤などに用いられる。
脱脂粉乳【動植物性成分】
動物の乳汁より脂肪分を除き乾燥したもので、おもに牛乳を原科としている。帯黄白色の粉末で、わずかに緩和なにおい、および味がある。たんぱく質、乳糖が主成分で、ほかに灰分、わずかに脂肪を含む。保湿作用、肌の保護作用があり、洗顔科、クリーム、乳液、パック、浴用剤、石けん、シャンプー、リンスなどに使用される。
たんぱく分解酵素【生体系保湿成分】
たんぱく質を加水分解する酵素の総称でプロテアーゼともよぱれる。たんぱく質中のペプチド結合を分解して、プロテオース、ペプトン、アミノ酸へと順次に分解していく。生体の組織や細胞に広く存在し、消化酵素としても重要な役割をはたしている。消化液では、胃液中のぺプシン、膵液中のトリプシン、腸液中の工レプシンなどがある。化粧品では老化した角質を分解してなめらかな皮膚にする目的などで酵素洗顔として石けんや洗顔科、浴用剤などに配合されている。
DL−アラニン【生体系保湿成分】
不せい炭素1個を有するもっとも簡単なアミノ酸である。無色〜白色の結晶または結晶性の粉末でにおいはなく、味は甘い。糖質代謝に重要な関運をもち、脂肪酸の生合成に関与している。DL−アラニンは合成酒、果汁飲料、制酸剤として便用されている。アラニンの異性体にβ−アラニンがあり、天然に存在する唯一のβ−アミノ酸で、生物学上重要なアミノ酸である。NMFの組成にセリン、アラニンなど16種類のアミノ酸が遊離の形で約40%含まれており、アミノ酸が化粧品原科として興味ある物質であることを示唆している。
DL−ビロリドンカルポン酸(PCA)【生体系保湿成分】
グルタミン酸を150℃以下に加熱するとピロリドンカルボン酸が生じる。白色の結晶または結晶性の粉未で.においはない。皮膚中に存在するピロリドンカルボン酸は塩(えん)の形で含有されており、天然の保湿群としての役割を果たしている。しょう油などの発酵,製品や大豆、糖蜜、野菜類などの植物にも広く存在する化粧品に使用する場合、ピロリドンカルボン酸には吸湿性はないので、塩の形にする必要があり、ナトリウム塩やトリエタノールアミノ塩として使用され、皮膚 や毛髪に対して温潤性、柔軟剤、弾力性を与える。石けん、クリーム、化粧水、乳液、頭髪用化粧品、洗顔科、シャンプー、リンスなどに保湿剤として使用される。
DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム【多価アルコール】
ピロリドンカルボン酸は塩(えん)の形で皮膚中に存在し、NMF(天然保湿因子)中で重要な働きをしている保湿成分である。アミノ酸の一種であるグルタミン酸の脱水反応により得られる無臭の固体ごある。化粧品に使用する場合、ピロリドンカルボン酸をナトリウム塩の形にして使用される。ピロリドンカルボン酸は吸湿性はないが、ナトリウム塩やカリウム塩は強い吸湿性を有するからである。ナトリウム塩の吸湿効果はグリセリン、プロピレングリコール、ソルピトールよりすぐれている。安全性は高く、皮膚や毛髪にすぐれた湿潤性、柔軟剤を与えるので、クリーム類、ローション、乳液などの化粧品をはじめ、石けん、歯みがき、医薬品などの保湿剤として用いられる。
DL−ピロリドンカルポン酸ナトりウム液(PCAソーダ)【生体系保湿成分】
ピロリドンカルボン酸ナトリウムの50%水溶液である。無色、透明の液体で、においはない。ピロリドンカルボン酸は塩の形で皮膚に多く含まれ、NMFとして重要な役割を果たしている。非常に吸湿性があり、皮膚や毛髪に良好な湿潤性を示し、柔軟剤と弾力性を与える。高温や低温においても安定である。皮膚や眼に対して、高濃度でも刺激はほとんどなく、クリーム、乳液類をはじめ基礎化粧品の保湿剤として用いられている。石けん、シャンプーなどにも使用されている
デオキシリポ枚酸(DNA)【生体系保湿成分】
仔牛の胸腺、あるいは魚類の精巣から抽出して得られる。このカリウム塩がデオキシリボ核酸カリウム、ナトリウム塩がデオキシリボ核酸ナトリウムである。デオキシリボ核酸は白色または類白色の粉末で、無臭である。デオキシリボ核酸ナトリウムは白色または類白色の粉末である。デオキシリボ核酸カリウムは白色または類白色の粉末で、においはほとんどない。含チッ素塩基、五炭糖、リン酸から構成されている。化粧品ではDNAおよびそのナトリウム塩、カリウム塩が、保湿効果、皮脂分泌コントロール、細胞賦活作用が期侍され、広く使用されている。
動物胎盤エキス【動植物性成分】
妊娠奉刀期の健康な牛または豚の動物胎盤から熱処理や化学処理によらずに低温化にて抽出された組織抽出物である。油溶性成分を除去したホルモンを含まないエキスであり、無色〜淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。成分は水溶性ピタミン類約10種、アミノ酸類約17種、ミネラル約10種、そのほかの成分4種である。細胞の呼吸作用を促進することが認められており、皮膚組織の代謝、再生に効果がある。さらに美白効果も認められている。したがって、肌荒れや日焼けによるシミ、ソバカスなどに有効であり、化粧品や医薬部外品に広く配合されている。
トサカ抽出液(加水分解トサカ液、フィプラ・N)【生体系保湿成分】
ニワトリのトサカをたんぱく分解酵素で加水分解して得たヒアルロン酸を多く含む酸性ムコ多糖類の溶液である。無色透明またはわずかに黄色味を帯びた粘稠な液体で、特異臭がある。高粘性、高保水性で皮膚表面に皮膜を形成し、すぐれた使用感を与え、ほかの保湿剤と比べ、外的な湿度の影響を受けにくく、皮膚にうるおいを与える。高い保水性をもち、すぐれた保湿剤として種々の化粧品に広く利用される。
トレハロース【動植物性成分】
酵母、紅藻、地衣類など広く天然界に存在している成分である。近年、保湿効果の高い糖として注目されており、乾燥している環境下から細胞を保護する作用のあることがわかった。トレハロースを硫酸化した硫酸化トレハロースは皮膚への連続塗布効果試験で、角質層の水分保持機能を高めることがわかった。
▼ナ行
納豆エキス(大豆発酵代謝液)【動植物性成分】
大豆を原科としたバイオ成分である。グルタミン酸のポリペプチドと果糖のポリマーの混合物である。肌のうるおいを長時間保つすぐれた保湿成分である。ヒアルロン酸に匹敵する保湿効果がある。
ニガリパウダー【動植物性成分】
天然海水成分で、主として塩化マグネシウムを含む。角質層に水分を与え、お肌の乾燥を防ぐ。タラソテラピーに用いられる美容成分である。
乳酸【生体系保湿成分】
腐敗乳中に存在する有機酸として知られてきたが、動植物界に広く存在している。デンプンを用いた醗酵法や、アセトアルデヒドに青酸を作用させる合成法により製造されている。無色〜淡黄の粘性の液で、わずかに特異なにおいを持つものがある。おだやかな角質溶解作用と共に、希釈液は殺菌作用もあるので、アストリンゼント、乳液、美白クリームのほか、洗髪用化粧品に使用される。酒類の醗酵初期に加えて腐敗菌の繁離防止にも用いられる。
乳酸菌培養液(天然SE液)【動植物性成分】
乳酸菌は腸内菌を制御し、整腸作用を有する効用が知られており、日常にも乳酸飲科としても用いられている。ローマ時代すでに動物の乳や発酵乳で皮膚の色を白くしたり、皮膚の乾燥を防ぐ目的で用いられていたといわれる。乳酸菌培養液は乳酸菌の一種から発酵法によって得られ、その成分はアミノ酸、可溶性たんぱく質、有機酸、糖類などから構成されている。SEはスキンケア・エッセンスまたはシロタ・エッセンスの略である。保湿作用やpHコントロール作用があり皮膚の乾燥を防ぎ、つや、弾力性を保ち、皮膚を弱酸性に維持する。また、抗酸化作用があり、シミ、ソバカスの原因となる過酸化脂質の生成を抑制し、皮膚の新陳代謝を高め、老化を予防する。
乳酸ナトリウム(液)【生体系保湿成分】
NMF中に存在する重要な天然系保湿成分であり、高い吸湿力を示す。無色透明な粘性の液で、においはないか、またはわずかに特異なにおいがある。乳酸と水酸化ナトリウム溶液とを反応させて得られ、グリセリン類似の特質をもつために、グリセリンの代用として広く用いられる。またO/W型のクリームのきめを細かくする性質もある。
乳糖(ラクトース)【動植物性成分】
哺乳勤物の乳汁に存在する2種類の一つである。製法は工業的には、バター、チーズ、カゼインなどの製造の副産物として得られる。白色、無臭の結晶または粉末で、においはなく、味はやや甘い。乳糖はほかの糖に比べ甘味が少なく、ショ糖の約1/6である。小腸の粘膜細胞内で酵素ラクターゼによりブドウ糖とガラクトースに分解される。
尿酸【生体系保湿成分】
動物の体内でたんぱく質が分解する際に生じ、尿中に排出される物質である。無色または白色の結晶で、無味である。化粧品の原科としてはpH調整剤、エモリエント剤として使用される。
尿素【生体系保湿成分】
尿から濃縮分離する方法などのほかに工業的にも得ることができる。無色〜白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、冷涼な塩味がある。軽度の殺菌作用があり、スルファミン類との併用による相乗効果で抗菌力を増すといわれ、毒性はきわめて低い。創傷治癒の作用や細胞賦活の作用があり、ハンドクリームやローションなどに配合される。また毛髪の膨潤剤としてコールドウェーブ液に、湿潤剤としてシャンプーなどにも使用される。そのほか、石けん、アイライナー、ファンデーション、日焼け止めクリーム、ひげそり用ローション、アイクリームなどに使用される。医薬用の尿素軟こうとして皮膚外用剤にも使用される。
▼ハ行
ハチミツ【動植物性成分】
ミツバチが巣に集めた淡貫色〜黄褐色のシロップ様の粘稠な液体の蜜を採集したものである。蜜のもとになる植物として、ナタネ、レンゲ、ナシ、アカシア、ミカン、クローバーなどが知られ、植物の種類によりにおい、色調にちがいがある。一般に色の淡いものほど淡白な香りと味をしているといえる。また、花名のついたものは、国産、輸入ともブレンドしていない。80%は糖分で、果糖、ブドウ糖が主であり、ショ糖、麦芽糖などを少量含んでいる。このほか10〜20%の水分を含み、さらにギ酸、乳酸、リンゴ酸、ゴム質、ロウ質、アセチルコリン、ピタミンB群を微量含んでいる。栄養剤、甘味剤として用いるほか、食品の乾燥を防ぐためにも使用する。化粧品には、皮膚をなめらかにする性質があるので、マッサージクリーム、石けんなどに使用され、また乳液、ロース、、水などの増粘剤としても使用される。
ヒアルロン酸【生体系保湿成分】
ヒアルロン酸は1934年メイヤーらにより牛の眼のガラス体より分離、命名された代表的な酸性ムコ多糖類であり、コンドロイチン硫酸などと共に哺乳動物の結合組織に分布している。結合組織内での機能として、細胞間隙に水を保持し、また、組織内にジェリー状のマトリックス(格子形状)を形成して細胞を保持したり、皮膚の湿潤性と柔軟性を保ち、外力、および細菌感染を防止している。表皮、真皮にはヒアルロン酸はコンドロイチン硫酸やヘパリンよりも多く存在し、このヒアルロン酸の水分保持が皮膚のみずみずしさに寄与している。皮膚にみずみずしさがなくなり、シワができるのは、真皮の結合組織がら水分を豊富に含むヒアルロン酸が減少するからといわれている。このように水分保持能力の主役である物質であるが、ヒアルロン酸は生体中に微量しか存在ぜず、かつ、たんぱく質やほかのムコ多糖類と複合体を形成しているため、牛の臍帯やニワトリのトサカなどからの製造にあたっては、分離精製など複雑な工程を有する。このためヒアルロン酸は非常に高価な原料となり、実用上大きな制約があった。そこで、微生物を用いる発酵法によって得られる安価で純粋なバイオヒアルロン酸を生産する方法が確立され実用化した。バイオヒアルロン酸は、天然のヒアルロン酸と化学的には全く同一である。今日、これらの事情もあって、ヒアルロン酸配合の化粧品が数多く登場してきた。ヒアルロン酸は、皮膚によく吸収されてのびがよくべとつかず、角質層の水分量を高める効果がある。また、空気中の湿度に左右されることなく、その保湿性を一定に保つという特性があるのもほかの保湿剤と大きく異なっているところである。さらにヒアルロン酸とグリセリンなど多価アルコールの併用による相乗効果(保湿効果および皮膚改善効果)を高めることができる。化粧品にはヒアルロン酸ナトリウムの形で配合されている。
ヒアルロン酸ナトリウム【生体系保湿成分】
ニワトリのトサカなどから得られる動物由来のものと微生物を用いる発酵法により得られるものがある。天然のヒアルロン酸ナトリウムは白色〜淡黄色の粉末で、わずかに特異臭がある。バイオヒアルロン酸ナトリウムは白色〜淡黄色の粉末で、わずかに特異臭がある。また、ヒアルロン酸ナトリウム液は無色の粘稠な液体で、わずかに特異臭がある。保水性や浸透性にすぐれ、皮膚にハリを与え、なめらかにする効果がある。保湿剤として、クリーム、乳液、美容液、頭髪用化粧品、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほお紅、おしろい、ファンデーションなど広く使用される。
ビプィズス菌エキス(カルチャーB,B)【動植物性成分】
ピフィズス菌から得られたエキスの水溶液である。ピフィズス菌は腸管内に生理的繁殖する細菌であるが、乳酸を産生して腸内の酸性度を高め、病原細菌の発育・増殖を防ぐ役目をしている。また、ピフィズス菌の免疫賦活作用や抗ガン活性のあることが明らかになった。ピフィズス菌の培養物は紫外線や加齢により損傷をうけた細胞の自然修復機能を高め、衰えた細胞をよみがえらぜるバイオ成分として、基礎化粧品に応用されている。
フェニルアラニン【生体系保湿成分】
各種のたんぱく質中に約2〜5%存在しているが、種子の幼芽中にはしぱしば遊離状態で見いだされる。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはな〈、味はわずかに苦い。必須アミノ酸の一種でたんぱく質生成の原科として栄養、生長にかかせないものである。アミノ酸輸液や総合アミノ酸製剤の成分として必須アミノ酸の強化に用いられるほか、化粧品の保湿剤として用いられる。食品調味料にも用いられる
ブドウ糖(グルコース)【動植物性成分】
デンプンを原料としてつくられる。白色の結晶、または結晶性の粉末で味は甘い。最も重要な糖で、多糖類や配糖体となっている成分を含めると自然界に最も多量に存在する。植物界には熟した果実中に多く、またハチミツの主成分である。動物界では血液やリンパ液中にあり、糖尿病患者の尿中に見いだされる。医薬品としては、栄養補給薬として用いられるほか、甘味剤として食品に用いられる。化粧品ではクリームなど製品の水分蒸発を防ぐ日的の湿潤剤として用いられる。
プラセンターエキス(胎盤描出物)【動植物性成分】
牛、豚、羊の胎盤より無菌的に精製水で抽出される。多種のピタミン類(チアミン、リボフラピン、ピリドキシン、パントテン酸、その他)、アミノ酸類(アルギニン、シスチン、グルタミン酸、セリン、その他、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、その他)などが含まれ、さらにコレステロール、コレステロールエステル、酵素(アルカリ性フォスファターゼ)、デオキシリボ核酸を含有している。これらの成分により、皮膚の組織呼吸の亢進作用、メラニン形成阻害作用、皮膚柔軟化作用、シミ・ソバカスの改善作用、末梢血流障害の改善作用、小ジワ、肌荒れに対する改善作用など広い範囲の治療効果が認められている。 化粧品では、皮膚への保湿効果のほかに、色素沈着の防止、シワの予防、頭髪の脱毛防止など多目的に使用されている。
プルラン【動植物性成分】
黒酵母菌を用い、発酵法でつくる。グルコースが規則正しく約1000個程度つながった水溶性多糖類である。多くの水酸基をもっており、温水、冷水、いずれにもよく溶け、保湿性にもすぐれている。各種化粧品の機能性、触感などを高めるために使用される。
プロデュウ【生体系保湿成分】
DLピロリドンカルボン酸ナトリウム、L−プロリン、乳酸ナトリウム、ソルビット、加水分解コラーゲンの水溶液で、アミノ酸系の保湿剤である。NMF成分の複合体として、特にうるおいを保つ効果がすぐれており、肌をみずみずしく保つ。
プロピレングリコール【多価アルコール】
プロピレンクロロヒドリンまたはプロパンオキシドの加水分解によって得られる。グリセリンに似た外観、特性を示す無色、無臭の透明な液体であるが、グリセリンに比べて粘度が低いためさっぱりとしており、使用感触にすぐれている。保温剤として用いられるほか、溶剤としてすぐれた性質があるので可溶化剤としても用いられる。また抗菌作用もある。
ホエ一(乳清、乳酸菌発酵液)【動植物性成分】
全乳まだは脱脂乳に、およびブドウ糖の水溶液を乳酸菌で発酵させて生じる凝固物を除去した透明な液体を乳清(ホエー)という。乳清の主成分は乳糖(ラクトース)であるが、たんぱく質やミネラルなども含まれている。保湿性、吸収性にすぐれ、また皮膚の柔軟作用や損傷皮膚修復作用があり、皮膚のコンディショナ一として基礎化粧品などに使用される。
ポリエチレングリコール(カーボワックス)【多価アルコール】
酸化エチレンの重合体である。均一な単体化合物ではなく、重合度の異なる高分子の混合物である。ちなみに酸化エチレンとは、強い殺菌作用のある揮発性の液体で、化粧品ではポリエチレングリコールの導入原科に用いられる。ポリエチレングリコールは水溶性で、刺激もないので、クリーム、乳液、石けん、シャンプ一、リンス、頭髪用化粧品などに使用される。
ポリグリセリン【多価アルコール】
グリセリンを脱水縮合して得られるもので、粘性のある液体物質である。重合度が大きくなると流動性がなくなる。グリセリンと同様、保湿剤、改質剤、物性向上剤として使用される。また、界面活性剤の親水基として使用される。ジグリセリン、トリグリセリン、ぺンタグリセリン、デカグリセリンなどがある。
▼マ行
マリンコラーゲン【動植物性成分】
タラの浮き袋から抽出した、水溶性コラーゲンである。無色〜淡黄褐色の液体で、特異な臭いがある。海の生物から抽出したコラーゲンで、保湿効果がある。
ミロナイト・ネクトン(マリンクレイ、海の軟泥)【動植物性成分】
主としてイオウを含む含水ケイ酸アルミニウムからなる海泥乾燥物である。福島県棚倉町の東西にひろがる棚倉破砕帯より採掘した、軽質多孔性の白色粉末である。数千万年前の海洋動植物が埋没堆積し、微生物の働きで年月と共に分解、代謝、再合成が繰り返され、バランスのよい各種ミネラルを含有する腐食泥「海の軟泥」となったものである。酸化アルミニウム、二酸化ケイ素のほかに酸化カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、イオウ、リン、酸化チタンを含み、一般の粘土鉱物類と異なる。吸着効果がすぐれているので、毛穴の汚れや余分の皮脂を取り除くクレンジングやパック剤に応用されている。微量の酸化鉄および微量のイオウの働きで消炎効果もある。また、貴重な各種ミネラルの微量元素は皮膚のホメオスタシスを助け、肌のキメを整える。
▼ヤ行
U−ジェリー【多価アルコール】
グリセリン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムおよび水の混合物である。無色透明のゼリー状の粘性の液で、においはほとんどない。高保湿陸と高保水性を合わせもった水溶性のゼリー状成分である。いったん水を含むとうるおいを長時間に保つ働きがある。
▼ラ行
ラクトフェリン(ラクトカイン)【動植物性成分】
牛乳に合まれる生理活性物質である。淡黄赤色の透明な液体でにおいはほとんどない。哺乳動物の母乳中には、たんぱく質、脂質、炭水化物、ピタミン、ミネラルなど栄養素のほかに幼動物の生休調整にかかわる生理機能をもった成分が豊富に含まれている。このラクトフェリンは、母乳中に含まれる鉄結合性糖たんぱく質である。高い抗酸化能と皮膚本来の防御機能を高める働きをもっている。SOD(活性酸素消去物質)と同様な抗酸化能をもつ。ラクトカインは、ラクトフェリンとピタミン類、植物エキスの複合体である。老化の原因である酸化の進行を止め、皮膚本未の防御機能を高める作用や、酸化によって引き起こされる炎症を抑える作用、さらに親和性や保湿保護効果にすぐれている。
卵黄レシチン(卵黄リン脂質)【生体系保湿成分】
ニワトリの卵黄から得られる淡黄色〜橙黄色の粘着性物質または粉末である。リン脂質を60%以上含んでいる。卵黄から得た卵黄油に水素添加し、さらに精製して安定性を改善した水素添加卵黄レシチンもある。天然の界面活性剤として使用しやすいレシチンである。また、保湿効果が高く、肌への密着性がきわめてすぐれている。乳化剤、保湿剤、エモリエント剤、リポソーム化剤としてクリーム、乳液、ファンデーション、化粧水などに使用される。
リポ核酸(RNA)【生体系保湿成分】
主としてピール酵母菌体から柚出・精製して得られる。白色または類白色の粉末で、わずかに特異臭がある。リボ核酸は完全加水分解によってアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、リボース、リン酸となる。石けん、シヤンプー、リンス、クリーム、乳液などに使用される。リポ核酸ナトリウム塩酵母の菌体から抽出・精製して得られる。白色〜灰白色の結晶性の粉末で、無臭である。石けん、シャンプ一、リンス、アイシャドウ、ほお紅、ファンデーション、クリームなど広く使用される。
リンゴ酸【動植物性成分】
天然にはリンゴなどの果実中にある。合成品はフマル酸をアルカリと熱して水を付加して得られる。あるいは、ブドウ酸の還元や、ブロムコハク酸の加水分解によっても得られる。白色の結晶または結晶性粉末で、においはないかわずかに特異なにおいがある。リンゴ酸のエステルであるリンゴ酸ジイソステアリルは高粘稠液休で、低刺激性であり、油性成分として化粧品に広く使用される。また、リンゴ酸ナトリウムは塩味をもつことから、古来食塩の代用として用いられてきた。 化粧品では、石けん、シャンプー、リンス、化粧水、クリームなどに使用される。
リン酸【生体系保湿成分】
無色透明な粘稠性の液体であるが、市販されているりン酸は85%程度の水溶液である。リン酸は天然には遊離の形で存在せず塩の形で動植物体内に存在している。生物体内においては、核酸の構成成分として生体の維持成長、代謝に不可欠の成分でドあり、きわめて重要な成分であることが生科学的に明らかにされている。化粧品には、酸化防止の相乗効果を目的とした酸化防止助剤として配合したり、化粧水やクリーム類のpH調整剤として使用されている。また、洗口料に清浄剤として配合することがある。
リン酸リボフラビンナトリウム【生体系保湿成分】
リボフラビンのリン酸化によって得られるリン酸リボフラビンを炭酸ナトリウム、または水酸化ナトリウムで中和して得られる。黄色〜橙黄色の結晶性の粉末でにおいはなく、味はやや苦い。きわめて吸湿性があり光によって分解する。食品では強化剤としてリボフラビンと同様に使用される。化粧品では、クリーム、乳液、化粧水、洗顔科などに用いられる。
リン脂質【生体系保湿成分】
リン酸と結合した脂質の総称である。生体に広く分布し、細胞膜や神経細織の重要な構成成分の一つで代謝過程で重要な役割をしているものもある。代表的なものにレシチンやケファリンがあり、卵黄、大豆、胚芽などに多く含まれている。化粧品では乳化剤やエモリエント剤、保湿剤として配合されている。また、皮膚に含まれる脂質にはリン脂質がかなり含まれ、洗浄などで除かれた場合、リン脂質を含んだクリームなどを使用することによって補うことができる。
レシチン【生体系保湿成分】
卵黄、大豆などに含まれ、これらを原科として得られる。リン脂質に属し、脂肪酸、グリセリン、リン酸、コリンからなる物質である。皮膚から吸収されると、コリンないしはアセチルコリンを生じ、これが血管拡張作用を有し、発毛を促進する効果がある。皮膚科では発毛と凍瘡にレシチン軟こうを使用する。レシチンは親油、親水の両方の性質をもち、乳化剤、リポソーム化剤に応用される。
ローヤルゼリー(王乳)【動植物性成分】
ミツバチの若い働きバチが分泌する粘性物質で、日本名では王乳とよぱれる。非常に高い栄養に富んでいて、女王バチがふ化して幼虫から成虫になるまでに与えられる食餌である。女王バチはほかのハチに比べ生長は早く、体も大きくなり生存期間も長い。この女王バチの驚くべき産卵能力と働きバチの約4倍という寿命はローヤルゼリーの摂取によると考えられており、欧米諸国では古くから長寿の妙薬としてローヤルゼリーを尊重してきた。また、女王バチの幼虫の体表面からも吸収される物質であることから、化粧品原科として注目されている。ローヤルゼリーの成分は、たんぱく質、炭水化物、脂肪、酵素、ミネラル、ピタミン類(パントテン酸が特に多い)などにより構成されている。ローヤルゼリーには、細胞を賦活し、皮膚組織の新陳代謝を促進し、シミ・小ジワを防ぐ作用があり、さらに皮膚の保湿性を高める。また、ローヤルゼリーのみに含まれるヒドロキシデセン酸はすぐれた抗菌作用を有している。